シリコン塗料の費用、特長を解説 おすすめの製品は?

シリコン塗料で外壁塗装をしようとお考えですか?
シリコン塗料は大定番の塗料ですが、最近ではラジカル塗料という種類を選ぶ方も増えてきています。
特徴や価格を比較して、最適な塗料を選ぶようにしましょう。
この記事では、
- シリコン塗料の特徴は?
- シリコン塗料の相場価格は?
- シリコン以外の塗料との比較
- シリコン塗料のおすすめの製品は?
といった点について住宅のプロが詳しく解説します。
- シリコン塗料は定番の塗料だが最近はラジカル塗料が主役の座を奪いつつある
- シリコン塗料はコスパが良いがひび割れしやすいデメリットも
- 水性・油性、1液型・2液型などシリコン塗料の中でも分類がある。何を選ぶべきかは用途や希望にあわせて
- シリコン含有率が重要。ニッペ、カンペ、エスケー化研以外の塗料を選ぶときは要確認

シリコン塗料とは?
約7割の戸建てで使われるのがシリコン塗料
シリコン塗料は外壁塗装で使われることが最も多い、大定番の塗料の種類(グレード)のことです。
戸建ての塗装ではシリコン塗料が使われることが約7割とも言われています。
コストパフォーマンスが最大の特徴
シリコン塗料の人気の理由は、ずばりコストパフォーマンスです。
耐久性とコストのバランスの良さから、「迷ったらシリコン塗料を選べば間違いない」ともよく言われています。
ただ、最近ではより耐久性に優れている「ラジカル塗料」の方がコストパフォーマンスが上回ると考えられることが多く、外壁塗料の主役の座を奪われつつあります。
ひび割れしやすいのがデメリット
製品にもよりますが、一般的にシリコン塗料は時間の経過により硬くなり、それがひび割れにつながりやすいです。
シリコン塗料には透明な「クリア塗料」もある
外壁塗装というと、塗料で外壁を上から塗りつぶさないいけないと思うかもしれませんが、透明なクリア塗料を使えば、従来の外壁の印象を維持することができます。
シリコンのクリア塗料としては日本ペイントの「ピュアライドUVプロテクトクリヤー」などがあります。
代表的な製品はファインシリコンフレッシュ
シリコン塗料の代表的な製品としては、日本ペイントのファインシリコンフレッシュや、エスケー化研のクリーンマイルドシリコンなどがあります。
その他にも各メーカー数多くのシリコン塗料を販売しています。

シリコン塗料の価格と耐用年数
コストパフォーマンスに優れると言われるシリコン塗料ですが、実際の相場価格と耐用年数を確認してみましょう。
シリコン塗料の相場価格と耐用年数は以下の通りです。
塗料の種類 | 相場価格(30坪) | 耐用年数(目安) | (相場価格/耐用年数) |
---|---|---|---|
アクリル樹脂塗料 | 70万円 | 7年 | 10.0万円 |
ウレタン樹脂塗料 | 80万円 | 12年 | 6.6万円 |
シリコン樹脂塗料 | 85万円 | 15年 | 5.6万円 |
ラジカル塗料 | 90万円 | 17年 | 5.3万円 |
フッ素樹脂塗料 | 100万円 | 20年 | 5.0万円 |
無機塗料 | 110万円 | 20年 | 5.5万円 |

アクリル塗料やウレタン塗料よりも相場価格は高めですが、耐用年数を考えると割安なことがわかります。
一方、ラジカル塗料や、フッ素塗料と比べると、シリコン塗料の相場価格は安いかわりに、割高です。
イニシャルコストが高くなっても、コストパフォーマンスに優れたものを選びたいということであれば、シリコン塗料ではなく、フッ素塗料やラジカル塗料を選ぶ選択もありでしょう。
実際、最近では、日本ペイントのパーフェクトトップなど、ラジカル塗料を選ぶ方が増えてきています。
ちなみに、厳密に言えばラジカル塗料は塗料のグレードではなく、ラジカル制御という特徴を持っている塗料のことを指しますが、
各グレードのと比較をされることが多いので、ここでも比較対象とさせていただいています。

シリコン以外の塗料との特徴比較
価格以外の点についても、シリコン塗料と他の塗料を比較してみましょう。
塗料の種類 | 相場価格(30坪) | 塗料の特徴 |
---|---|---|
アクリル樹脂塗料 | 70万円 | 最も安価な塗料だが、紫外線に弱く耐久性は低い。 倉庫など頻繁に塗り替えをする場所には適している。 |
ウレタン樹脂塗料 | 80万円 | シリコン塗料より安価でほどほどの耐久性。 初期費用を安く済ませたいという場合におすすめ。 |
シリコン樹脂塗料 | 85万円 | コストと性能のバランスが良い最も定番の塗料。 |
ラジカル塗料 | 90万円 | 人気急上昇中の塗料。ラジカル制御で劣化しにくい。厳密に言えばラジカルはグレードではなく、「ラジカル制御型シリコン塗料」や「ラジカル制御型アクリル塗料」もある。シリコン塗料との比較におすすめ。 |
フッ素樹脂塗料 | 100万円 | シリコン塗料より価格は高いが耐久性に優れる。塗り替え回数が減るのでトータルコストで選ぶなら。 | 無機塗料 | 110万円 | セラミックやケイ素などの無機物を配合した高耐久塗料。シリコン塗料よりもだいぶ高い。 |
シリコン塗料の種類
一括りにシリコン塗料といっても、製品によって特長は様々です。
シリコン塗料でも、製品によって以下のような点が異なります。
グレード以外の塗料の分類の方法
- 水性・油性
- 1液型・2液型
- エナメル(有色)・クリア(透明)
- 遮熱機能の有無
シリコン塗料の分類方法1.
水性・油性の違い
塗料には、シリコンやウレタンといったグレードの違いだけでなく、水性、油性といった分類もあります。
- 水性塗料
- 塗料を薄める希釈剤に「水」を使う塗料
- 安全性が高いが乾きにくく垂れやすい。耐久性も油性よりやや劣る
- 油性塗料
- 塗料を薄める希釈剤に「シンナー」などの溶剤を使う塗料
- 乾きやすく、耐久性にも優れているが、溶剤が少し危険
一般的には、外壁の塗装は水性塗料が、屋根の塗装は油性塗料が使用されることが多いです。
これは、より生活スペースに近い外壁は安全性重視の水性塗料が良いと考えられる人が多いためです。
また、反対に、塗料の垂れが雨漏りにつながってしまう可能性(水がぬけなくなるため)がある屋根は油性塗料が適しています。
代表的な水性シリコン塗料としてはエスケー化研の「水性セラミシリコン」、代表的な油性シリコン塗料としては日本ペイントの「ファインシリコンフレッシュ」などがあります。

シリコン塗料の分類方法2.
1液型・2液型の違い
水性・油性の違いの他に、1液型・2液型という分類方法もあります。
それぞれの違いは「主剤と硬化剤が分離しているかどうか」です。
1液型は予め主剤と硬化剤が混ぜられている一方、2液型は主剤と硬化剤が分離していて、職人さんが現場で混ぜる必要があります。
代表的な1液型シリコン塗料としては、エスケー化研の「一液マイルドシリコン」、代表的な2液型シリコン塗料としては、アステックペイントの「超低汚染リファイン1000Si‐IR」などがあります。

シリコン塗料の分類方法3.
エナメル(有色)・クリア(透明)の違い
塗料の種類によって、有色のエナメル塗料か、無色のクリア塗料に分かれます。
一般的にはエナメル塗料を使うことが多いですが、従来の外壁材のデザインや質感を残したいという場合にはクリア塗料を使うこともあります。
シリコン樹脂クリア塗料の製品にはエスケー化研の「SKシリコンクリアー」などがあります。

シリコン塗料の分類方法3.
遮熱機能の有無
シリコン塗料は遮熱機能の有無で分類することが可能です。
一般的には日本塗料工業会が「高日射反射率塗料」と定めた塗料を遮熱機能あり(遮熱塗料)と言います。
遮熱機能のある塗料は屋根に塗装した場合、室内の温度が2~4℃程度下がると言われています。
シリコン塗料の遮熱塗料(というとややこしいですね)の代表的な製品としては、日本ペイントの「サーモアイSi」などがあります。

シリコン含有率も重要
また、シリコン塗料の塗料選びで非常に重要なのが、シリコンの含有率です。
シリコンの含有率が低いシリコン塗料は耐用年数が短くなります。
これは、シリコン塗料は厳密に言えばシリコンとアクリルを混ぜた塗料ですが、シリコン含有量の少ないものはどちらかと言えばアクリル塗料に近くなってしまうからです。
アクリル塗料はシリコン塗料よりも低価格なかわりに耐用年数が低い塗料です。
わずかでもシリコンが含まれていれば「シリコン塗料」と名乗れてしまうので、注意が必要です。
基本的に外壁塗料の3大メーカー「日本ペイント」「関西ペイント」「エスケー化研」の製品であれば心配はいりませんが、他メーカーの塗料で検討する際には一度ご相談いただければと思います。
まとめ
この記事では外壁塗料の定番「シリコン塗料」についてまとめました。
- シリコン塗料は定番の塗料だが最近はラジカル塗料が主役の座を奪いつつある
- シリコン塗料はコスパが良いがひび割れしやすいデメリットも
- 水性・油性、1液型・2液型などシリコン塗料の中でも分類がある。何を選ぶべきかは用途や希望にあわせて
- シリコン含有率が重要。ニッペ、カンペ、エスケー化研以外の塗料を選ぶときは要確認
「シリコン塗料を選べば、まず間違いない」と良く言われますが、ラジカル塗料を選んだほうがコストパフォーマンスが良くなることも多いです。
また、シリコン塗料の中でも製品によって差が大きいです。
業者によって提案する塗料が異なりますので、検討の際には必ず複数の業者の見積もりを取って比較するのを忘れないようにしてください。
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