遮熱塗料ランキングTOP5【2026年最新】外壁・屋根の人気・おすすめ塗料を比較
<<本記事のデータは2026年07月3日に更新しました。>>
遮熱塗料は、太陽光に含まれる熱の原因となる光を反射し、外壁や屋根の表面温度の上昇を抑える塗料です。特に、夏場に2階が暑くなりやすい家や、屋根に直射日光が当たりやすい家では、外壁塗装・屋根塗装のタイミングで遮熱塗料を検討する人が増えています。
一方で、遮熱塗料は「塗れば必ず室内が涼しくなる」「電気代が大幅に下がる」といった万能な塗料ではありません。効果の感じ方は、屋根・外壁の素材、選ぶ色、断熱材の有無、日当たり、間取り、窓の性能などによって変わります。
この記事では、外壁塗装パートナーズ経由で実際に契約された遮熱塗料340件のデータをもとに、外壁用・屋根用に分けて人気の遮熱塗料をランキング形式で紹介します。さらに、遮熱塗料の仕組み、メーカー別の特徴、選び方、注意点まで解説します。
この記事の結論
外壁用で人気の遮熱塗料TOP3は、アステックペイントのフッ素REVO1000-IR、シリコンREVO1000-IR、超低汚染リファイン1000MF-IRでした。
屋根用で人気の遮熱塗料TOP3は、アステックペイントのスーパーシャネツサーモSi、スーパーシャネツサーモF、超低汚染リファイン500MF-IRです。
ただし、ランキング上位の塗料がすべての家に最適とは限りません。遮熱塗料は、外壁材・屋根材との相性、耐用年数、色、汚れにくさ、見積価格まで比較して選ぶことが大切です。
遮熱塗料の最新傾向を把握するため、外壁塗装パートナーズの実成約データを集計しています。
本ランキングは、カタログ上の性能だけで順位をつけたものではありません。実際に契約された件数をもとにした「人気ランキング」です。そのため、上位の塗料ほど多くの現場で提案・採用されている傾向はありますが、すべての住宅にとって最適という意味ではありません。
外壁塗装や屋根塗装では、塗料名だけでなく、下地の状態、施工会社の技術、下塗り材、保証内容も仕上がりや耐久性に影響します。遮熱塗料を選ぶ際は、ランキングを参考にしつつ、自宅に合うかどうかを見積もり段階で確認しましょう。
【外壁用】遮熱塗料ランキングTOP5
まずは、外壁用の遮熱塗料ランキングです。今回の集計では、外壁用の遮熱塗料は203件あり、外壁塗料全体729件のうち約27.8%を占めていました。
| 順位 | 塗料名 | メーカー | 遮熱塗料内シェア |
|---|---|---|---|
| 1位 | フッ素REVO1000-IR | アステックペイント | 25.6% |
| 2位 | シリコンREVO1000-IR | アステックペイント | 16.3% |
| 3位 | 超低汚染リファイン1000MF-IR | アステックペイント | 15.3% |
| 4位 | 超低汚染リファイン1000Si-IR | アステックペイント | 13.8% |
| 5位 | 超低汚染リファイン1000MS-IR | アステックペイント | 5.9% |
外壁用ランキングでは、アステックペイントの遮熱塗料が上位を占めました。特に「REVO1000-IR」シリーズと「超低汚染リファイン1000-IR」シリーズが多く選ばれており、遮熱性に加えて、耐候性や低汚染性を重視した提案が多いことがわかります。
外壁は屋根に比べると直射日光の影響を受けにくい面もありますが、南面や西面に強い日差しが当たる家、濃い色の外壁を選びたい家、2階の暑さが気になる家では、外壁用の遮熱塗料も選択肢になります。
【1位】フッ素REVO1000-IR
| 製 品 | ![]() |
|---|---|
| 工 程 | 外壁用上塗り |
| 水性/溶剤 | 水性系 |
| 素 材 | 窯業系サイディング/モルタル/ALC/コンクリート/カラー鋼板/アルミニウム/ガルバリウム鋼板・ステンレス/波形スレート |
| 機 能 | 遮熱性、防カビ・防藻性、低汚染性 |
| 期待耐用年数 | 16~20年 |
外壁用遮熱塗料ランキング1位は、アステックペイントのフッ素REVO1000-IRです。今回の集計では遮熱塗料の中で25.6%のシェアがあり、外壁用遮熱塗料の中で最も多く選ばれていました。
フッ素REVO1000-IRは、外壁用の水性一液遮熱フッ素系上塗材です。メーカーは「高耐候性」「低汚染性」「遮熱性」を特長としており、期待耐用年数は16~20年とされています。
この塗料が向いているのは、塗り替え回数をできるだけ減らしたい人や、シリコン塗料よりも高い耐候性を求める人です。遮熱性だけでなく、長期的な外壁保護を重視する場合に候補になりやすい塗料といえます。
一方で、フッ素系塗料はシリコン系塗料より見積価格が高くなりやすい傾向があります。提案された場合は、シリコンREVO1000-IRや超低汚染リファイン1000Si-IRなど、同じ遮熱系のシリコン塗料と比較し、価格差に見合う耐久性を求めるかどうかを確認しましょう。
【2位】シリコンREVO1000-IR
| 製 品 | |
|---|---|
| 工 程 | 外壁用上塗り |
| 水性/溶剤 | 水性系 |
| 素 材 | コンクリート/モルタル/ALC/窯業系サイディング/カラー鋼板/アルミニウム/ガルバリウム鋼板・ステンレス/波形スレート |
| 機 能 | 遮熱性、防カビ・防藻性、低汚染性 |
| 期待耐用年数 | 13~16年 |
2位は、アステックペイントのシリコンREVO1000-IRです。今回の集計では遮熱塗料の中で16.3%のシェアがありました。
シリコンREVO1000-IRは、外壁用の水性一液遮熱シリコン系上塗材です。メーカー公表の期待耐用年数は13~16年で、一般的な外壁塗装では価格面でも検討しやすいグレードです。
特徴は、遮熱性と耐候性、価格のバランスを取りやすいことです。高耐久塗料を選びたいものの、フッ素系や無機フッ素系までは予算を上げにくい場合、シリコンREVO1000-IRはおすすめです。
【3位】超低汚染リファイン1000MF-IR
| 製 品 | ![]() |
|---|---|
| 工 程 | 外壁用上塗り |
| 水性/溶剤 | 水性系 |
| 素 材 | コンクリート/モルタル/ALC/窯業系サイディング/波形スレート(波型スレート)/カラー鋼板/ガルバリウム鋼板・ステンレス/アルミニウム |
| 機 能 | 遮熱性、防カビ・防藻性、超低汚染性 |
| 期待耐用年数 | 20~24年 |
3位は、アステックペイントの超低汚染リファイン1000MF-IRです。今回の集計では遮熱塗料の中で15.3%のシェアがありました。
超低汚染リファイン1000MF-IRは、外壁用の無機フッ素系遮熱塗料です。メーカー公表の期待耐用年数は20~24年で、今回の外壁用TOP5の中で最も高耐久帯に入ります。
この塗料は、遮熱性だけでなく「汚れにくさ」を重視したい人に向いています。外壁は、雨だれ、排気ガス、砂ぼこり、カビ、藻などによって美観が損なわれやすい場所です。白系やベージュ系など、汚れが気になりやすい色を選びたい場合は、遮熱性に加えて低汚染性も重要になります。
【4位】超低汚染リファイン1000Si-IR
4位は、アステックペイントの超低汚染リファイン1000Si-IRです。今回の集計では遮熱塗料の中で13.8%のシェアがありました。
超低汚染リファイン1000Si-IRは、外壁用のシリコン系遮熱塗料です。メーカー公表の期待耐用年数は15~18年で、シリコンREVO1000-IRよりも高耐久という位置づけです。
この塗料は、遮熱性に加えて外壁の美観維持を重視したい人に向いています。交通量の多い道路沿い、雨だれが出やすい窓まわり、北面にカビや藻が出やすい家では、低汚染性や防カビ・防藻性も重要な比較ポイントです。
超低汚染リファイン1000Si-IRと超低汚染リファイン1000MF-IRでは、樹脂グレードや期待耐用年数、価格帯が異なります。見積もりでは「Si」と「MF」の違いを確認しましょう。
【5位】超低汚染リファイン1000MS-IR
5位は、アステックペイントの超低汚染リファイン1000MS-IRです。今回の集計では遮熱塗料の中で5.9%のシェアがありました。
今回のランキングでは、超低汚染リファイン艶消1000MS-IRと超低汚染リファイン弾性1000MS-IRを、超低汚染リファイン1000MS-IRとして集計しています。メーカー公表の期待耐用年数は17~20年です。
艶を抑えた落ち着いた仕上がりにしたい場合や、モルタル外壁などで弾性タイプを検討したい場合に候補になります。外壁の質感やデザイン性を重視する家では、艶の有無も塗料選びの大切なポイントです。
注意したいのは、艶消タイプと弾性タイプでは適用素材や使い方が異なる点です。見積書に「1000MS-IR」と書かれている場合は、どのタイプで提案されているのかを確認しましょう。
アステックペイント 超低汚染リファイン艶消1000MS-IR
アステックペイント 超低汚染リファイン弾性1000MS-IR
【屋根用】遮熱塗料ランキングTOP5
次に、屋根用の遮熱塗料ランキングです。今回の集計では、屋根用の遮熱塗料は137件あり、屋根塗料全体401件のうち約34.2%を占めていました。
屋根は外壁よりも直射日光を受けやすく、夏場に表面温度が上がりやすい部位です。そのため、遮熱塗料の効果を期待するなら、外壁よりも屋根の方が検討されやすい傾向があります。
| 順位 | 塗料名 | メーカー | 遮熱塗料内シェア |
|---|---|---|---|
| 1位 | スーパーシャネツサーモSi | アステックペイント | 17.5% |
| 2位 | スーパーシャネツサーモF | アステックペイント | 16.8% |
| 3位 | 超低汚染リファイン500MF-IR | アステックペイント | 14.6% |
| 4位 | サーモアイDF | 日本ペイント | 6.6% |
| 5位 | セミフロンスーパールーフⅡ遮熱 | KFケミカル | 6.6% |
屋根用ランキングでも、アステックペイントの塗料が上位に入りました。一方で、4位には日本ペイントのサーモアイDF、5位にはKFケミカルのセミフロンスーパールーフⅡ遮熱も入っており、屋根用遮熱塗料は他のメーカーもより製品開発に力を入れていることが伺えます。
屋根用の遮熱塗料を選ぶときは、遮熱性能だけでなく、屋根材との相性が重要です。スレート屋根、金属屋根、セメント瓦、モニエル瓦など、屋根材によって適した下塗り材や施工方法が変わります。
【1位】スーパーシャネツサーモSi
| 製 品 | ![]() |
|---|---|
| 工 程 | 屋根用上塗り |
| 水性/溶剤 | 溶剤系 |
| 素 材 | カラー鋼板/ガルバリウム鋼板・ステンレス/波形スレート(波型スレート)/セメント瓦/モニエル瓦/カラーベスト |
| 機 能 | 遮熱性 |
| 期待耐用年数 | 13~16年 |
屋根用遮熱塗料ランキング1位は、アステックペイントのスーパーシャネツサーモSiです。今回の集計では遮熱塗料の中で17.5%のシェアがありました。
スーパーシャネツサーモSiは、屋根用のシリコン系遮熱塗料です。メーカー公表の期待耐用年数は13~16年で、遮熱性と価格のバランスを取りやすい塗料といえます。
屋根は外壁よりも紫外線や雨風の影響を受けやすく、塗膜の劣化も進みやすい部位です。スーパーシャネツサーモSiは、屋根の遮熱塗装を検討する際に、まず候補に入りやすい代表的な塗料です。
ただし、長期的な耐久性をより重視する場合は、同シリーズのスーパーシャネツサーモFや、超低汚染リファイン500MF-IRなどもあわせて比較するとよいでしょう。
【2位】スーパーシャネツサーモF
| 製 品 | ![]() |
|---|---|
| 工 程 | 屋根用上塗り |
| 水性/溶剤 | 溶剤系 |
| 素 材 | カラー鋼板/ガルバリウム鋼板・ステンレス/波形スレート(波型スレート)/セメント瓦/モニエル瓦/カラーベスト |
| 機 能 | 遮熱性 |
| 期待耐用年数 | 16~20年 |
2位は、アステックペイントのスーパーシャネツサーモFです。今回の集計では遮熱塗料の中で16.8%のシェアがあり、1位のスーパーシャネツサーモSiとほぼ同水準でした。
スーパーシャネツサーモFは、屋根用のフッ素系遮熱塗料です。メーカー公表の期待耐用年数は16~20年で、スーパーシャネツサーモSiよりも高耐久と位置づけられます。
屋根は塗り替え時に足場が必要になるため、外壁と同時に塗装するケースが多くあります。次回の塗り替えまでの期間をできるだけ延ばしたい場合は、シリコン系よりもフッ素系を検討する価値があります。
見積もりでは、スーパーシャネツサーモSiとの差額と、期待耐用年数の差を確認しましょう。単純な総額だけでなく、1年あたりの塗装コストで比較すると判断しやすくなります。
【3位】超低汚染リファイン500MF-IR
| 製 品 | ![]() |
|---|---|
| 工 程 | 屋根用上塗り |
| 水性/溶剤 | 水性系 |
| 素 材 | カラー鋼板/ガルバリウム鋼板・ステンレス/塩ビ鋼板/セメント瓦/モニエル瓦/カラーベスト/波形スレート(波型スレート)/アスファルトシングル/アルミニウム |
| 機 能 | 遮熱性、防カビ・防藻性、超低汚染性 |
| 期待耐用年数 | 20~24年 |
3位は、アステックペイントの超低汚染リファイン500MF-IRです。今回の集計では遮熱塗料の中で14.6%のシェアがありました。
超低汚染リファイン500MF-IRは、屋根用の無機フッ素系遮熱塗料です。メーカー公表の期待耐用年数は20~24年で、今回の屋根用ランキングの中でも最も高耐久です。
この塗料の特徴は、遮熱性だけでなく、屋根の美観維持や汚れにくさも重視している点です。屋根は普段見えにくい場所ですが、色あせや汚れが進むと建物全体の印象にも影響します。
高耐久な屋根塗料を選びたい人には魅力的な選択肢ですが、価格は高くなりやすいため、スーパーシャネツサーモFやサーモアイDFなど、他の高耐久遮熱塗料と比較して検討しましょう。
【4位】サーモアイDF
4位は、日本ペイントのサーモアイDFです。今回の集計では遮熱塗料の中で6.6%のシェアがありました。
サーモアイDFは、2液弱溶剤フッ素樹脂の屋根用高日射反射率塗料です。日本ペイントの代表的な屋根用遮熱塗料「サーモアイ」シリーズの中でも、耐候性や光沢保持性を重視したグレードとして位置づけられます。
サーモアイDFの特徴は、上塗りと下塗りの「ダブル反射」遮熱機能により、屋根への蓄熱を抑える設計になっている点です。スレート屋根や金属屋根で、日本ペイントの高耐久な遮熱塗料を検討したい場合に比較対象になります。
ただし、2液弱溶剤系の塗料のため、施工管理や下塗り材の選定も重要です。見積もりでは、サーモアイプライマーやサーモアイシーラーなど、どの下塗り材を使うのかも確認しましょう。
【5位】セミフロンスーパールーフⅡ遮熱
5位は、KFケミカルのセミフロンスーパールーフⅡ遮熱です。今回の集計では遮熱塗料の中で6.6%のシェアで、4位のサーモアイDFと同数でした。
セミフロンスーパールーフⅡ遮熱は、KFケミカルのセミフロンスーパーシリーズに含まれる屋根用遮熱塗料です。無機成分とフッ素樹脂を組み合わせた高耐候系の塗料として提案されることがあります。
アステックペイントや日本ペイント以外のメーカーで高耐久な屋根用遮熱塗料を比較したい場合、セミフロンスーパールーフⅡ遮熱は候補になります。見積もりでは、屋根材への適用可否、下塗り材、保証内容、他メーカー品との価格差を確認しましょう。
【注目】ランキング外でも比較したい高性能な遮熱塗料
ここまで紹介したランキングは、外壁塗装パートナーズの実成約データに基づくものです。一方で、ランキング上位に入っていなくても、今後提案が増える可能性がある塗料や、性能面で比較対象に入れたい塗料があります。
ここでは、提案された場合に比較しておきたい注目の遮熱塗料を紹介します。
【外壁用】パーフェクトトップSi(遮熱オプション)
| 製 品 | ![]() |
|---|---|
| 工 程 | 外壁用上塗り |
| 水性/溶剤 | 水性系 |
| 素 材 | モルタル、コンクリート、押出成形セメント板、サイディングボード、PC板、スレート、ALC、鉄、アルミ |
| 機 能 | 遮熱性、防藻、防かび、高耐候性 |
| 期待耐用年数 | 最大15年 |
外壁用で注目したいのが、日本ペイントのパーフェクトトップSi(遮熱オプション)です。
日本ペイントは、2026年4月15日から「パーフェクトトップSi 遮熱オプション」の販売を開始しました。日本ペイントの代名詞ともいえるロングセラー塗料「パーフェクトトップSi」に遮熱性能を付与した、最近注目の遮熱塗料です。
ランキングにはまだ大きく反映されていませんが、発売時期を考えると、今後は外壁用遮熱塗料として提案が増える可能性があります。日本ペイント製品で外壁塗装を検討したい場合や、アステックペイント以外の遮熱塗料も比較したい場合は候補になります。
注意点として、遮熱オプションの対象色は淡彩色から一部中彩色に限られます。濃い色の外壁にしたい場合は、希望する色で遮熱オプションが使えるかを施工会社に確認しましょう。
【屋根用】パーフェクトクーラーベスト
| 製 品 | ![]() |
|---|---|
| 工 程 | 屋根用上塗り |
| 水性/溶剤 | 水性系 |
| 素 材 | スレート |
| 機 能 | 遮熱性、防藻、防かび、高耐候性 |
| 期待耐用年数 | 記載なし |
屋根用で注目したい塗料のひとつが、日本ペイントのパーフェクトクーラーベストです。
パーフェクトクーラーベストは、水性ラジカル制御形の屋根用高日射反射率塗料です。下塗り材のパーフェクトクーラーサーフと組み合わせることで、下塗りから上塗りまでオール水性システムで施工できる点が特徴です。
屋根用遮熱塗料は弱溶剤系の商品も多いため、水性塗料で検討したい場合には比較対象になります。においや近隣への配慮を重視したい場合にも、施工会社に相談してみる価値があります。
以前、日本ペイントのご担当者様にパーフェクトクーラーベストの魅力についてインタビューした記事もあるので、是非参考にしてみてください。
メーカー別に見る遮熱塗料の傾向
| メーカー | 今回のデータでの傾向 | 代表的な遮熱塗料 |
|---|---|---|
| アステックペイント | 外壁・屋根ともに契約数が多い。REVO1000-IR、超低汚染リファイン-IR、スーパーシャネツサーモなどが上位。 | フッ素REVO1000-IR、シリコンREVO1000-IR、スーパーシャネツサーモSi/F |
| 日本ペイント | 屋根用ではサーモアイDFが上位。外壁用ではパーフェクトトップSi遮熱オプションの今後の提案増加に注目。 | サーモアイDF、パーフェクトクーラーベスト、パーフェクトトップSi遮熱オプション |
| KFケミカル | 屋根用でセミフロンスーパールーフⅡ遮熱が上位に入った。高耐久系の遮熱塗料として比較候補になる。 | セミフロンスーパールーフⅡ遮熱、セミフロンスーパーアクアⅡ遮熱 |
| エスケー化研 | 今回の上位には多くないが、クールタイトシリーズなど高日射反射率塗料のラインアップがある。 | クールタイト、水性クールテクトSiなど |
| 関西ペイント | 屋根用ではアレスクールSi、アレスダイナミックルーフ遮熱などが候補になる。 | アレスクールSi、アレスダイナミックルーフ遮熱 |
今回の実成約データでは、外壁用・屋根用ともにアステックペイントの遮熱塗料が多く選ばれていました。特に外壁用では、フッ素REVO1000-IR、シリコンREVO1000-IR、超低汚染リファイン1000MF-IR、超低汚染リファイン1000Si-IRなど、アステックペイントの遮熱塗料が上位を占めています。
この背景には、外壁用遮熱塗料の市場そのものが、屋根用ほど大きく広がってこなかったことがあります。
屋根は建物の中でも直射日光を受けやすく、夏場に表面温度が上がりやすい部位です。そのため、屋根用塗料では以前から「遮熱性」を前面に出した商品が多く展開されてきました。一方で外壁は、方角や周囲の建物、軒の出方などによって日射の当たり方が大きく変わります。屋根に比べると遮熱効果を体感しにくいケースもあるため、外壁用塗料では遮熱性よりも、耐候性、低汚染性、防カビ・防藻性、ひび割れへの追従性などが重視される傾向がありました。
その中でアステックペイントは、外壁用の高耐久塗料や低汚染塗料に遮熱性能を組み合わせた商品を積極的に展開してきました。たとえば、フッ素REVO1000-IRやシリコンREVO1000-IRは、耐候性に加えて遮熱性を備えた外壁用塗料です。また、超低汚染リファイン1000MF-IRや超低汚染リファイン1000Si-IRは、汚れにくさと遮熱性をあわせ持つ塗料として提案されています。
つまり、アステックペイントの遮熱塗料が多く選ばれているのは、単に「遮熱性能が高いから」というだけではありません。もともと高耐久塗料や低汚染塗料を検討している人に対して、「せっかくなら遮熱性も備えた塗料を選ぶ」という提案がしやすかったことが、外壁用遮熱塗料の採用数を押し上げた要因と考えられます。
一方で、他メーカーにも遮熱塗料の選択肢はあります。日本ペイントでは屋根用のサーモアイシリーズやパーフェクトクーラーベスト、外壁用ではパーフェクトトップSiの遮熱オプションが候補になります。エスケー化研ではクールタイトシリーズ、関西ペイントではアレスクールシリーズやアレスダイナミックルーフ遮熱、KFケミカルではセミフロンスーパールーフⅡ遮熱などがあります。
遮熱塗料の仕組み
遮熱塗料は、太陽光に含まれる熱の原因となる光を反射し、屋根や外壁の表面温度の上昇を抑える塗料です。
太陽光には、目に見える可視光線だけでなく、熱として感じやすい近赤外線も含まれています。遮熱塗料は、この近赤外線領域の光を効率よく反射することで、塗膜や屋根材・外壁材が熱を吸収しにくくなるように設計されています。
屋根用の遮熱塗料については、JIS K 5675「屋根用高日射反射率塗料」という規格もあります。これは、建築物の屋根や屋上に使われる自然乾燥形エナメル系の屋根用高日射反射率塗料について定めた規格です。
基本的な考え方は多くのメーカーで共通していますが、遮熱性能をどのように高めるか、また遮熱効果をどのように長持ちさせるかはメーカーや製品によって違いがあります。
アステックペイント:特殊遮熱無機顔料で近赤外線を反射する
アステックペイントの遮熱塗料は、特殊な無機顔料によって近赤外線を反射する設計が中心です。
たとえば、外壁用のフッ素REVO1000-IRやシリコンREVO1000-IRでは「チタン複合遮熱無機顔料」を使用していると説明されています。これにより、従来の塗料より日射反射率を高め、熱を吸収しにくくする仕組みです。
屋根用のスーパーシャネツサーモSiやスーパーシャネツサーモFでは、「チタン複合特殊無機顔料」によって、温度上昇の原因となる近赤外線を効果的に反射するとされています。
日本ペイント:上塗りと下塗りのダブル反射でトリプル遮熱効果
日本ペイントの遮熱塗料で特徴的なのが、上塗りと下塗りを組み合わせた遮熱設計です。
代表的なサーモアイシリーズでは、「赤外線透過テクノロジー」によって、上塗りと下塗りの両方で赤外線を反射する「ダブル反射」の仕組みが紹介されています。上塗りで反射しきれなかった赤外線を下塗りでも反射することで、屋根面の温度上昇を抑える考え方です。
パーフェクトクーラーベストでも同様に、上塗りの遮熱顔料に加えて、下塗り材のパーフェクトクーラーサーフと組み合わせる設計になっています。さらに、パーフェクトクーラーサーフは、赤外線反射顔料で近赤外線を反射するだけでなく、中空バルーンによって熱伝導率を低減する下塗り材です。
つまり日本ペイントは、単に上塗り塗料だけで遮熱するのではなく、下塗りを含めた塗装システム全体で遮熱性能を高めるメーカーといえます。
エスケー化研:近赤外線反射と低汚染性で遮熱効果を維持する
エスケー化研の遮熱塗料では、太陽光線の中でも放射熱エネルギーの強い近赤外領域を反射し、屋根や外壁の温度上昇を抑える仕組みが紹介されています。
代表的なクールタイトシリーズでは、近赤外線を反射する遮熱性に加えて、特殊セラミック成分による低汚染効果も特徴とされています。塗膜表面に汚れが付着しにくければ、日射反射率の低下を抑えやすくなります。
遮熱塗料は、塗りたての性能だけでなく、数年後にどれだけ反射性能を維持できるかも重要です。その意味で、エスケー化研は「近赤外線を反射すること」と「汚れにくさで遮熱性を維持すること」を組み合わせた考え方といえます。
関西ペイント:上塗りと下塗りのWブロック効果で遮熱する
関西ペイントのアレスクールシリーズでは、「Wブロック効果」という遮熱の仕組みが紹介されています。
アレスクールは、赤外線を反射する特殊顔料をトップコート、つまり上塗りだけでなく、プライマー、つまり下塗りにも配合しています。上塗り部分を透過した一部の赤外線を下塗りでも反射することで、屋根の温度上昇を抑える設計です。
考え方としては、日本ペイントのサーモアイシリーズに近く、上塗り単体ではなく、下塗りまで含めた塗装仕様で遮熱性能を高めるタイプです。屋根用遮熱塗料を比較するときは、上塗りの商品名だけでなく、どの下塗り材を組み合わせるかも確認するとよいでしょう。
遮熱塗料の性能比較
今回の実成約データではアステックペイントの商品が多く選ばれていましたが、これは遮熱性能だけでなく、耐候性、低汚染性、施工店での提案のしやすさなども含めた結果と考えられます。
一方で、遮熱性能そのものを重視するなら、日本ペイント、関西ペイント、エスケー化研、KFケミカルなどの屋根用遮熱塗料も有力な比較候補になります。これらのメーカーは、色別の日射反射率、赤外ランプ試験など、確かな遮熱性能を証明するデータを公表しています。
つまり、遮熱塗料は「人気で選ぶならアステックペイントが目立つが、遮熱性能を横並びで比較なら他メーカーにも強い製品がある」と考えると分かりやすいです。
【遮熱性能の規格】
遮熱塗料としてJISマークを表示できるかどうかはJIS K 5675(屋根用高日射反射率塗料)を満たしているかどうかで決まります。ただし、これは屋根用塗料の話。実は外壁用塗料には遮熱塗料かどうかを定義するJIS規格がありません。外壁用遮熱塗料かどうかを判断する規格はありませんが、遮熱塗料の性能を比較する規格はあります。それが、JIS K 5602(日射反射率の測定方法)です。
【屋根用】遮熱塗料の性能は6つの項目で比較
| 確認項目 | 見るべきポイント | 注意点 |
|---|---|---|
| JIS K 5675 | 屋根用高日射反射率塗料としての規格対応、1級・2級などの等級 | 製品によって「2種1級」「2種2級」など表記が異なる。 対象色や艶に条件がある場合もある。 |
| 日射反射率 | 全日射反射率、近赤外日射反射率、色別の数値 | 遮熱性能を数値で比較するための重要な指標。 同じ塗料でも色や下塗り材によって反射率が変わる。 |
| 色 | 白系・淡彩色・中彩色・濃色の違い、希望色の反射率、遮熱対応色かどうか | 一般的に明るい色ほど反射率が高く、黒系・ブラウン系などの濃色は反射率が下がりやすい。 遮熱塗料を選んでも、濃い色では効果を感じにくい場合がある。 |
| 下塗り材 | 遮熱用下塗り材を使うのか、通常の下塗り材なのか | 日本ペイントのサーモアイや関西ペイントのアレスクールのように、 上塗りと下塗りの組み合わせで遮熱性能を高める製品もある。 |
| 耐候性 | 樹脂グレード、促進耐候性試験、期待耐用年数 | 屋根は外壁より紫外線や雨風の影響を受けやすいため、遮熱性だけでなく耐候性も重要。 |
| 低汚染性 | 汚れにくさ、親水性、防カビ・防藻性 | 塗膜が汚れると日射反射率が下がり、遮熱効果が落ちる場合がある。 長期的には、汚れにくさも遮熱性能の維持に関係する。 |
遮熱塗料でも一般的な塗料でも色、下塗り、耐候性、低汚染性は共通して重要な項目です。
一方で、JIS K 5675や日射反射率は遮熱塗料でしか出てこない項目なので、今回はこの点で比較します。
【屋根用】遮熱塗料の性能比較
屋根用の遮熱塗料を比較するときは、まずJIS K 5675「屋根用高日射反射率塗料」に対応しているかを確認しましょう。
JIS K 5675は、建築物の屋根や屋上に使われる高日射反射率塗料の規格です。日射反射率だけでなく、促進耐候性、耐酸性、耐アルカリ性、耐湿潤冷熱繰返し性、付着性など、屋根用塗料として必要な性能も評価対象になります。
つまり、屋根用では「遮熱塗料と書かれているか」だけでなく、JIS K 5675に対応しているか、等級はどうか、選ぶ色の日射反射率はどのくらいかを確認することで、性能を比較しやすくなります。
| 塗料名 | メーカー | JIS K 5675適合 (種・級) |
全日射反射率(近赤外線反射率) ※色・下塗材により変動 |
出典 |
|---|---|---|---|---|
| スーパーシャネツサーモF | アステックペイント | 適合 ※種・級の明記なし |
90.6~21.3%(90.6~44.9%) |
公式ページ 公式カタログPDF |
| スーパーシャネツサーモSi | アステックペイント | 適合 ※種・級の明記なし |
90.6~21.3%(90.6~44.9%) |
公式ページ 公式カタログPDF |
| 超低汚染リファイン500MF-IR | アステックペイント | 適合 ※種・級の明記なし |
不明 | 公式ページ |
| サーモアイDF | 日本ペイント | 適合 2種1級 |
91.0~26.6%(87.8~56.9%) | 公式ページ |
| アレスクール2液F | 関西ペイント | 適合 2種1級 ※一部塗色を除く |
不明(80%以上~40~50%) |
製品説明書PDF 公式カタログPDF |
| アレスクール2液Si | 関西ペイント | 適合 2種2級 |
不明(80%以上~40%) |
製品説明書PDF 公式カタログPDF |
| クールタイトF | エスケー化研 | 適合 2種1級 ※艶有り |
不明(80%~40%※戸建て向け) |
公式ページ カラーバリエーション |
| クールタイトSi | エスケー化研 | 適合 2種2級 ※艶有り |
不明(80%~40%※戸建て向け) |
公式ページ カラーバリエーション |
| セミフロンスーパールーフⅡ遮熱 | KFケミカル | 準拠 ※JIS K 5675に準拠した日射反射率を公表 |
不明(64.4~46.6%) | 商品説明書PDF |
※JIS K 5675は合否以外に種と級の区分があります。種は1種(水性塗料)か2種(油性塗料)か、級は塗料の耐候性で1級>2級>3級>LG級の4つで分けられます。
※JIS規格適合させていない塗料もあるため、JIS K 5675適合かどうかが性能の全てではありません。
【外壁用】遮熱塗料の性能は6つの項目で比較
| 確認項目 | 見るべきポイント | 注意点 |
|---|---|---|
| 日射反射率 | JIS K 5602に基づく日射反射率、近赤外日射反射率、メーカー公表値 | 外壁用にはJIS K 5675のような判断規格がないため、反射率や試験条件を確認する。 |
| 試験条件 | 試験色、照射時間、比較対象、表面温度・裏面温度の測定方法 | メーカー独自試験は条件が異なるため、温度差だけをメーカー間で単純比較しない。 |
| 色 | 淡彩色か濃色か、遮熱対応色か | 同じ外壁用遮熱塗料でも、明るい色と濃い色では遮熱効果が変わる。 |
| 耐候性 | 期待耐用年数、促進耐候性試験、樹脂グレード | 外壁塗装では遮熱性だけでなく、長く塗膜を保てるかが重要。 |
| 低汚染性 | 親水性、防カビ・防藻性、雨筋汚れの付きにくさ | 汚れが付くと反射率が落ちるため、遮熱効果の維持にも関係する。 |
| 外壁材との相性 | 窯業系サイディング、モルタル、ALC、金属サイディングなどへの適用可否 | 適用素材外の塗料を使うと、剥がれや膨れなどの不具合につながる可能性がある。 |
屋根用の遮熱塗料とは異なり、外壁用遮熱塗料たらしめる規格がないので、JIS K 5602(日射反射率の測定方法)という日射率の規格で比較するか、各メーカーが独自に行っている試験を通じて性能を比較するほかありません。
ただし、JIS K 5602(日射反射率の測定方法)の値を公表しているメーカーは少ないため、実際にはメーカーの独自試験から確からしさを判断する必要があります。
【外壁用】遮熱塗料の性能比較
外壁用の遮熱性能を見るときは、JIS K 5602「塗膜の日射反射率の求め方」による日射反射率や、メーカーが公表している遮熱性検証実験を参考にします。ただし、メーカー独自の実験は、照明の種類、照射時間、試験色、比較対象、測定方法が異なるため、数値だけをそのまま横並びに比較するのは厳禁です。
また、外壁は屋根に比べると日射の当たり方に差が出やすい部位です。南面や西面は日射の影響を受けやすい一方、北面や隣家に近い面では遮熱効果を体感しにくいこともあります。そのため外壁用では、遮熱性能だけでなく、耐候性、低汚染性、防カビ・防藻性、外壁材との相性まで含めて比較する必要があります。
| 塗料名 | メーカー | 試験内容 | 試験結果 |
|---|---|---|---|
| フッ素REVO1000-IR | アステックペイント | N6グレーを塗装した試験板に約2時間照明を当て、表面温度と裏面温度を放射温度計で測定。 | 従来塗料と比較して、表面・裏面ともに約9℃の温度差があったと公表。 |
| シリコンREVO1000-IR | アステックペイント | N6グレーを塗装した試験板に約2時間照明を当て、表面温度と裏面温度を放射温度計で測定。 | REVO1000シリーズとして、従来塗料と比較して表面・裏面ともに約9℃の温度差があったと公表。 |
| 超低汚染リファイン1000MF-IR | アステックペイント | 特殊遮熱無機顔料による近赤外線の反射効果を測るため、一般塗料と比較した表面温度の測定試験を実施。 | 外気温が5.4℃上昇した条件下で、塗装箇所の表面温度は17.5℃低下。一般塗料との比較で表面温度を最大15℃低減した実測データを公表。 |
| 超低汚染リファイン1000Si-IR | アステックペイント | 特殊遮熱無機顔料による近赤外線の反射効果を測るため、一般塗料と比較した表面温度の測定試験を実施。 | リファインシリーズとして、外気温上昇時でも塗装面の表面温度が低下し、一般塗料と比較して最大15℃の低減効果を公表。 |
| パーフェクトトップSi 遮熱オプション | 日本ペイント | 一般塗料と同系色で表面温度の抑制効果を比較(JIS K 5602「塗膜の日射反射率の求め方」等に基づく性能評価)。 | 明度N60(グレー系)の条件において、一般塗料と比較して表面温度を約10℃抑制する効果があると公表。 |
| 水性クールテクトSi | エスケー化研 | 規定のランプ試験、および屋外(南面外壁)に一般塗料と並べて塗装し、夏期日中の表面温度上昇をサーモグラフィーで撮影して比較。 | ランプ試験で塗膜裏面温度を最大-17℃低減。サーモグラフィー試験では外壁表面で最大約11℃の温度抑制を確認。 |
| 水性クールテクトF | エスケー化研 | 規定のランプ試験、および屋外(南面外壁)に一般塗料と塗装し、夏期日中の表面温度をサーモグラフィーで比較。 | クールテクト工法として、ランプ試験で塗膜裏面温度を最大-17℃低減。外壁表面で最大約11℃の温度抑制効果を公表。 |
| 関西ペイントの外壁用遮熱仕様塗料 | 関西ペイント | 外壁用「アレスダイナミックECO断熱遮熱工法」などにおいて、一般塗料(微弾性フィラー工法)と表面・裏面温度を比較。 | 従来の微弾性フィラー工法に比べて、表面温度を最大-15℃、裏面温度を最大-21.4℃下げる試験結果を公表。 |
外壁用の遮熱性能を厳密に比較する場合は、屋根用のJIS K 5675のような分かりやすい基準がありません。見積もりで外壁用遮熱塗料を提案された場合は、「日射反射率はどの程度か」「メーカー独自試験は確かなのか」「どの色での数値なのか」を確認しましょう。
遮熱塗料を検討するときの注意点
メーカーによって性能評価の方法が異なる
遮熱塗料の性能は、メーカーごとにさまざまな実験や試験で説明されています。赤外線ランプを照射して温度差を比較する実験、日射反射率を測定する試験、屋外暴露後の反射率低下を見る試験などがあります。
これらのデータは参考になりますが、試験条件が異なると単純比較はできません。「A社は表面温度が何度下がる」「B社は日射反射率が何%」といった数値だけを見て、どちらが絶対に優れていると判断するのは避けましょう。
業者によっては遮熱性能を誇張することがある
遮熱塗料は、営業トークで効果が大きく見せられやすい塗料でもあります。「夏の暑さが劇的に変わる」「エアコン代が大幅に下がる」などと説明されることがありますが、実際の効果は家の条件によって大きく変わります。
たとえば、屋根裏に十分な断熱材が入っている家と、断熱材が少ない家では、同じ遮熱塗料を屋根に塗っても体感差が変わります。屋根の色、方角、周囲の建物、風通しによっても結果は変わります。
遮熱塗料を提案されたら、「どの部位に塗るのか」「どの色を選ぶのか」「どの程度の効果を見込んでいるのか」「その根拠はメーカー資料なのか、施工店の経験なのか」を確認しましょう。
自宅の快適さが劇的に改善するケースはまれ
遮熱塗料は、屋根や外壁の表面温度上昇を抑えるための塗料です。しかし、室内の暑さは塗料だけで決まるわけではありません。
室内の快適さには、屋根裏の断熱材、窓の性能、日射の入り方、換気、エアコンの能力、間取りなども関係します。そのため、遮熱塗料を塗っただけで、すべての部屋が劇的に涼しくなると考えるのは現実的ではありません。
ただし、夏場に屋根表面が高温になりやすい家、2階の暑さが気になる家、屋根色を濃くしたい家では、遮熱塗料を選ぶ意味があります。遮熱塗料は「暑さ対策の決定打」というより、外装メンテナンスの中でできる暑さ対策のひとつと考えるとよいでしょう。
濃い色を選ぶと遮熱効果を感じにくいことがある
遮熱塗料を選ぶときは、色選びも重要です。一般的に、白や淡いグレーなど明るい色は日射を反射しやすく、黒や濃いブラウンなど暗い色は熱を吸収しやすい傾向があります。
遮熱塗料は、濃い色でも一般塗料より日射を反射しやすいよう設計されています。しかし、同じ遮熱塗料でも、明るい色と濃い色では期待できる遮熱効果に差が出ます。
デザイン上、濃い屋根色や外壁色を選びたい場合は、色見本だけでなく、遮熱対応色かどうか、日射反射率の目安があるかを確認しましょう。
遮熱塗料はどんな家におすすめ?
遮熱塗料は、すべての家に必ず必要な塗料ではありません。特におすすめしやすい家と、優先度が高くない家があります。
遮熱塗料がおすすめしやすい家
- 夏場に2階が暑くなりやすい家
- 屋根に直射日光が当たりやすい家
- 金属屋根やスレート屋根で表面温度が上がりやすい家
- 屋根や外壁を濃い色にしたい家
- 外壁塗装・屋根塗装のタイミングで暑さ対策もしたい家
遮熱塗料の優先度が高くない家
- 日当たりが弱く、屋根や外壁が熱くなりにくい家
- 屋根裏や窓の断熱対策がすでに十分な家
- 近いうちに屋根の葺き替えや外壁の張り替えを予定している家
- 遮熱効果よりも、とにかく費用を抑えることを優先したい家
遮熱塗料を選ぶべきか迷った場合は、自分の家に遮熱塗料が向いているか他社からセカンドオピニオンをもらうのがいいでしょう。
遮熱塗料についてよくある質問
遮熱塗料と断熱塗料の違いって何ですか?
遮熱塗料と断熱塗料は、暑さ対策として一緒に語られることが多いですが、仕組みが異なります。
遮熱塗料は、太陽光を反射して屋根や外壁の表面温度の上昇を抑える塗料です。一方、断熱塗料は、熱の移動を抑えることを目的とした塗料です。
簡単に言うと、遮熱塗料は「熱を反射する塗料」、断熱塗料は「熱を伝わりにくくする塗料」です。ただし、住宅の断熱性能は塗料だけで大きく決まるものではなく、屋根裏の断熱材や窓の性能の影響も大きいです。
遮熱性能と塗料の色は関係ありますか?
はい、関係があります。一般的に、明るい色ほど日射を反射しやすく、暗い色ほど熱を吸収しやすい傾向があります。
遮熱塗料は、通常の塗料より日射を反射しやすいように設計されていますが、同じ遮熱塗料でも、白系・淡彩色と黒系・濃彩色では遮熱効果に差が出ます。
そのため、遮熱効果を重視するなら、できるだけ明るめの色を選ぶのがおすすめです。デザイン上、黒や濃いブラウンを選びたい場合は、遮熱対応色の中から選び、施工会社に日射反射率の目安を確認しましょう。
遮熱塗料にすると電気代は安くなりますか?
遮熱塗料によって室内温度の上昇が抑えられれば、冷房効率が良くなり、結果として電気代が下がる可能性はあります。
ただし、電気代の削減効果は家の条件によって大きく変わります。屋根の向き、断熱材の有無、窓からの日射、エアコンの使い方なども関係するため、「必ず電気代が下がる」とは言い切れません。
遮熱塗料は、電気代削減だけを目的に選ぶというより、屋根や外壁の塗り替え時に、暑さ対策も兼ねて選ぶ塗料と考えるのが現実的です。
遮熱塗料は外壁と屋根のどちらに塗るべきですか?
遮熱効果を期待するなら、まずは屋根への塗装を優先して検討するのがおすすめです。屋根は外壁よりも直射日光を受けやすく、表面温度が上がりやすいためです。
ただし、西日が強く当たる外壁や、濃い色の外壁を選ぶ場合は、外壁用の遮熱塗料も選択肢になります。屋根と外壁を同時に塗装する場合は、両方を遮熱仕様にする見積もりと、屋根だけ遮熱仕様にする見積もりを比較するとよいでしょう。
遮熱塗料の耐用年数はどのくらいですか?
遮熱塗料の耐用年数は、塗料のグレードによって異なります。シリコン系であれば10年台前半から中盤、フッ素系や無機フッ素系であれば15年以上の期待耐用年数が示されている商品もあります。
ただし、メーカーが公表している期待耐用年数は、試験結果などに基づく目安であり、保証年数とは異なります。実際の耐久性は、立地環境、下地の状態、施工品質、塗装色、メンテナンス状況によって変わります。
見積もりでは、塗料の期待耐用年数だけでなく、施工会社の保証年数や保証対象も確認しましょう。
まとめ:遮熱塗料はランキング上位だけでなく家との相性で選ぶ
今回の調査では、外壁用遮熱塗料ではアステックペイントのフッ素REVO1000-IR、シリコンREVO1000-IR、超低汚染リファイン1000MF-IRが上位に入りました。屋根用遮熱塗料では、スーパーシャネツサーモSi、スーパーシャネツサーモF、超低汚染リファイン500MF-IRが上位でした。
外壁・屋根ともに、アステックペイントの遮熱塗料が多く選ばれている傾向があります。一方で、日本ペイントのサーモアイDF、パーフェクトクーラーベスト、パーフェクトトップSi遮熱オプション、KFケミカルのセミフロンスーパールーフⅡ遮熱など、比較対象に入れたい塗料もあります。
遮熱塗料を選ぶときは、ランキングだけで判断せず、次のポイントを確認しましょう。
- 外壁用か屋根用か
- 自宅の外壁材・屋根材に対応しているか
- 希望する色で遮熱性能を期待できるか
- 遮熱性以外に、耐久性や低汚染性も十分か
- 通常塗料との差額に納得できるか
- 下塗り材や保証内容まで説明してもらえるか
同じ遮熱塗料でも、施工会社によって提案内容や見積価格は変わります。塗料名だけで判断せず、複数社の見積もりを比較して、自宅に合った塗料を選ぶことが大切です。
外壁塗装パートナーズでは、外壁や屋根の状態、希望する色、予算に合わせて、信頼できる地元の塗装店をご紹介しています。遮熱塗料を検討している方、遮熱塗料を提案されて迷っている方や、他の塗料との違いを比較したい方は、まずは複数社の見積もりを取って確認してみましょう。

















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