外壁塗装に最適な時期は暖かい時期?塗装に一番大事なのは『湿度』

外壁塗装は湿度が重要
外壁塗装、屋根塗装において何かと話題になる湿度。
なぜ湿度が問題になるかは、こちらをご覧ください。
洗濯物を干している日常の経験から湿度が高いと乾きにくいことは知っていますが、そもそも湿度とは何かを知っている方は実はあまり多くありません。
ここでは湿度というものが正確にはどういうものであるかを知り、塗装に役立つ知識を得て頂きたいと思います。
湿度ってそもそも
湿度が85%以上の環境は塗装に適さないと各塗料メーカーのパンフレットにも書いていますし、日本建築学会が発行しております「建築工事標準仕様書・同解説 JASS18塗装工事」にも不適切と書かれています。
では湿度とはそもそも何でしょうか?
当たり前といえば当たり前のことですが、「空気中に含まれる水分の割合」のことを指します。
ですから湿度の単位は%です。
まずここが大事なポイントで、いうことです。
空気中に含まれる水分量を指しているのではなく、あくまでも割合であるということです。
湿度=相対湿度
もし、湿度が空気中に含まれる水分の割合ではなく、空気中に含まれる水分量を指すのであれば、正式名称は「絶対湿度」となりその単位は%ではなく、量を表すgやkgを使います。
しかし普段私達が使用している湿度は、絶対湿度ではなく正式名称は「相対湿度」というものになります。
先ほどご紹介した「建築工事標準仕様書・同解説 JASS18塗装工事」の冒頭でも、
…塗装場所の気温が5℃未満、相対湿度が85%以上もしくは換気が適切でなく結露する等によって塗料の乾燥に不適切な場合は、原則として塗装作業に着手しない。
やむをえず塗装をする場合には、採暖や換気等の養生を行う。
-『建築工事標準仕様書・同解説 JASS18塗装工事/一般社団法人日本建築学会』より引用
とわざわざ「相対湿度」と使われています。
気温5℃未満の塗装工事についてはこちらの記事をご覧ください。
相対湿度とは?
では相対湿度とはどういうことなのでしょうか?
相対とは、他のものとの関係の上に成り立つものという意味です。
絶対湿度は、あくまで空気中の水分量を指しますが、相対湿度は水分量だけを指すのではなく、その時の空気が最大限含むことのできる水分量(飽和水蒸気量)との関係で決まります。
飽和水蒸気量が常に一定であれば難しいことはないのですが、この飽和水蒸気量は気温によって変化します。
暖かければ多くなり、寒くなれば低くなるのです。
ですから同じ湿度50%と言っても、夏の50%と冬の50%では空気中の水分量はかなり違います。
上のグラフは、夏の30℃の時の飽和水蒸気量と冬の10℃の時の飽和水蒸気量は3倍以上の開きがあります。
冬の10℃で湿度が50%の場合、9.3g/㎥×50%=4.65gが空気中に含まれる水分量です。
夏の30℃で湿度15.3%の場合、30.4g/㎥×15.3%=4.65gとなります。
つまり温度が冬と夏の温度が異なっても、空気中に含まれる水分量は同じになります。
まとめ
塗装において湿度は、塗料の乾きにくさと、かぶり現象がリスク要因としてあげられますが、それも湿度だけ見ていれば良いのではなく、気温も合わせて考慮して考えなければならないとおわかり頂けたと思います。
気温が高い夏はイメージとして塗装に適していて、2月は適していないと思われがちですが、太平洋側の地域では気温と湿度はおおよそ反比例し、例えば2017年の東京では8月は平均気温が26.4℃、平均湿度は83%、2月が気温6.9℃、湿度は49%です。
8月は気温は高いですが、空気中にかなりの水分量が含まれていることがわかります。
逆に2月は気温が低いですが、空気中の水分量は8月に比べると大幅に少なくかなり乾燥しています。
その地の気候特性をよく理解し、刻一刻とかわるその日のコンディションを確認しながら、塗料の適性も考え、注意深く実施してくれる塗装屋さんを探すことが如何に重要か少しでも伝われば幸いです。
外壁塗装に最適な時期については、こちらの記事をご覧ください。