【国が注意喚起】外壁塗装の飛び込み営業!被害を回避するコツを解説
自社の製品やサービスを直接売り込みにくるセールスマンは、どの業界においても存在するものです。それは外壁塗装業界でも同じで、外壁塗装の飛び込み営業というものが存在しています。
今回の記事では、そんな迷惑な外壁塗装の飛び込み営業の危険性と対処法について解説していきます。
外壁塗装の飛び込み営業に工事を依頼するのは待った!
外壁塗装をやりませんか?と突然営業に訪れる「飛び込み営業」ですが、セールストークに乗せられるまま工事を依頼するのは危険です。
工事というものは適切なタイミングで行わなければ損をするものであり、そして工事の質というものは業者によってばらつきがあります。
工事をしなくてもいいタイミングで外壁塗装を行うのは完全に無意味とまでは言いませんが、無駄が多く、勿体ないと言えるでしょう。
ただ無駄が多くなるだけならまだマシで、工事の質が低い業者であれば、むしろ適当な施工で塗装が劣化してしまうことだってあります。
そのため、安易に依頼をするのではなく、注意して対処することが必要です。
悪徳業者についてはこちらの記事もあわせてご覧ください。
外壁塗装の飛び込み営業の相談件数が増加傾向
近年、外壁塗装を飛び込み営業で持ちかけている業者が増加している傾向にあります。
これは噂というレベルではなく、国が注意喚起をする深刻な事態であるため、楽観視するわけにはいきません。
飛び込み営業に関する相談件数は以下のとおりです。
年度 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
---|---|---|---|---|
相談件数 | 8,007 | 8,784 | 9,734 | 1,753(前年同期 1,868) |
年度 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 |
---|---|---|---|---|
相談件数 | 5,760 | 7,023 | 7,421 | 1,411(前年同期 1,433) |
※2022年12月時点
訪問販売によるリフォーム工事・点検商法 | 国民生活センター
なぜ飛び込み営業をする必要があるのか?
なぜ飛び込み営業などをする必要があるのか、という点について考えてみましょう。営業というのは新規顧客を増やし、利益を伸ばすという意味合いがあります。
しかし、ただ商品を売るだけでいいといった業種ならまだしも、外壁塗装というのは人手や時間を必要とする工事作業であるため、一度に対応できる依頼の数は限られています。
それこそ繁忙期の塗装専門店に依頼を出したところ、作業開始まで1か月待たされた、なんてことも珍しくはありません。
つまり、普通なら飛び込み営業をせずとも依頼があればそれに対処している間に他の依頼が来る可能性もあり、わざわざ処理しきれないほどの依頼を抱える必要はないと言えます。
閑散期などの依頼があまり多くない時期であれば、仕事を取るために依頼を探すこともあるかもしれませんが、それでも出向いてまで積極的な営業を持ちかけるというのは稀です。
そこから考えると、わざわざ飛び込み営業を行うということは依頼が来ない業者であるということであり、依頼が来ないということは何かしら問題がある可能性が考えられます。
ただし、当然ながら全ての業者が悪徳業者なわけではなく、中には優良業者も一定数存在します。
飛び込み営業が消費者庁より名指しで注意喚起されている業者も・・
2022年6月29日に消費者庁は、社名を名指しで「新生ホームサービス及び新生ビジネスパートナーズ」の営業停止命令を出しました。
消費者庁は、訪問販売のサービスを受ける消費者の利益が著しく害されるおそれがあると認定した為です。
消費者庁が認定した新生ホームサービス及び新生ビジネスパートナーズの特定商取引法に違反する行為は、消費者安全法に規定する消費者の利益を不当に害するおそれのある行為(再勧誘、不実告知及び迷惑勧誘)にも該当します。
新生ホームサービス株式会社及び株式会社新生ビジネスパートナーズが行う外壁塗装工事等の役務の取引に関する注意喚起 添付資料4ページ目より | 消費者庁
他にも、関連性の高い下記の業者も同様の手口で不当な営業活動がおこなわれる可能性が高いとして、消費者庁・及び地方自治体から注意喚起がされています。
今後、同様の手口による取引が「日本eリモデル株式会社」及び「株式会社みらい住宅開発紀行」、「ウィズライフ株式会社」でも繰り返し行われる可能性が高いことが確認されました。
【緊急情報】新生ホームサービス株式会社及び株式会社新生ビジネスパートナーズが行う外壁塗装工事等の役務の取引に関する注意喚起 | 京都市
外壁塗装の飛び込み営業で寄せられる4つ被害事例
実際に飛び込み営業から外壁塗装の依頼をした人の中で、問題が発生した際の被害事例についてご紹介します。
被害となった要因は主に工事の質と料金関係が多く、いわゆる悪徳業者による被害であるとも言えます。
中には普通に工事して特に問題なく終わった、ということもありますが、だからといってわざわざ飛び込み営業で来た業者に外壁塗装を依頼するメリットはありません。
適切な時期に、しっかりとした経験と知識、実績を有した業者に依頼をした方がより安全確実に外壁塗装を行ってもらえます。
①手抜き工事
悪徳業者や経験不足の三流業者に依頼してしまった際によくある被害が、手抜き工事です。
手抜き工事にもさまざまな種類があります。
単純に全体的に工事の質が低いパターンや、表向きにはしっかり工事したように見せかけて、目につきにくい場所の手を抜いているパターンがあります。
全体的に工事の質が低いパターン
前者は経験や知識不足、あるいは作業員の怠慢などによる質の悪い施工が原因です。
使う塗料が適切なものでない場合や、塗装前に塗料をよくかき混ぜなかった結果として1年程度でチョーキングが発生したり、塗りムラが激しくチョーキングが適当・はみ出していたりなどがあります。
外壁塗装として十分な防護・補修効果が期待できないだけでなく、美観も損なうため、いいことは何一つありません。
こっそり手を抜くパターン
後者は腕こそ一定以上はありますが、チョーキングの上の部分を打ち替えずにそのままにしていたり、見えにくい場所やわかりづらい場所を塗装していなかったりといった、バレなきゃ問題ないと言わんばかりの手抜き工事も存在します。
一見すると問題なく施工がされていてわかりづらいため、さらに質が悪いと言えます。
手抜き工事についてはこちらの記事もあわせてご覧ください。
②相場より工事費用が大幅に高い
外壁塗装の相場は、およそ100万円程度です。
これを基準に、使う塗料の種類や塗る面積・家の高さ・立地など、さまざまな要素で価格が増減します。
変動するとはいえ、相場よりも大幅に高くなるというのは、普通の塗装業者であればあまりないでしょう。
悪徳業者の飛び込み営業の場合、何かと理由をつけて深刻な状態であるかのようなトークをした後、法外な価格を提示することがあります。
また、営業を持ちかけているのが実際に塗装を行う業者そのものではない可能性が高いです。
この場合どうなるのかというと、営業してきた相手が依頼を取り、その依頼を別の塗装業者へ依頼することで仲介料を発生させ、相場よりも高い価格で依頼料を請求するという状態になります。
外壁塗装の相場価格については、こちらの記事もあわせてご覧ください。
③追加費用の請求をされて高額になる
相場相応の価格で依頼を受けてもらったと思えば、工事中あるいは工事後に追加費用を請求してくる場合もあります。
特に工事中、手を付け始めた段階で追加費用を請求し、払わなければ工事をしないと脅迫じみたことも行う悪質な業者が存在しています。
④強引な勧誘
悪質なセールスマンにありがちなのが勧誘が強引であるということです。
勢いと不安を煽るようなトークに、今だけ安くなるといった限定アピールなど、さまざまなセールス手法を駆使して強引に依頼を勝ち取ろうとします。
そして断りきれなかった結果、高額請求されてしまうといった被害に遭う事態につながります。
【要注意!】飛び込み営業で注意すべき営業トーク4選
実際にどのようなセールストークをしてきたら注意するべきなのか、今回は営業トークの中から4つご紹介します。
ご紹介する内容を含むようなセールストークをする相手には注意しましょう。
ご紹介するのは下記の内容です。
端的に言えば、「とにかく安さをアピールする」というのはまず間違いなくアウトと言っていいでしょう。
不安を煽る
通常その対価が高額となり、金額の妥当性を判断しにくいものに関して勧誘を受けたときは、決して慌てることなく、自分にとって本当に必要なものかを考えて冷静に行動しましょう。
よくある外壁工事のセールストークとして、相手の不安を煽るというものがあります。
相手が知識のあまりない素人なのをいいことに、あたかも「状態が悪く、放置していれば家が倒壊してしまう」などと大げさに悪化症状を伝えたり、他の業者は高いとささやいたりします。
基本的に外壁の症状というのは、ある程度知識さえあれば素人でも大体の状態はわかります。
内部に雨水が侵食していて雨漏りしてしまうといった、深刻かつ詳細な症状は専門的な知識と経験を有した業者にしかわからないこともありますが、それでも騙されない程度の知識をつけることは可能です。
「すぐに修理しないと雨漏りする」なんて脅しもあるため、注意しましょう。
大幅な値引き
外壁塗装の工事など、通常その対価が高額となり金額の妥当性を判断しにくいものに関して勧誘を受けたときは、決して慌てることなく、自分にとって本当に必要なものかを考えて冷静に行動しましょう。
特に、
「今だけ、あなただけ通常よりもお得である」
「この機会を逃せば特別な割引価格での提供ができなくなる」など、特別に安いことを強調して即時の契約の締結を求められたり、特別なキャンペーンなどにより大幅な割引を実施しているかのような説明を受けたり、近所の他の消費者には割引価格を伝えないようになどの口止めをされたりした場合には、うのみにしないよう注意が必要です。
【注意喚起】新生ホームサービス株式会社及び株式会社新生ビジネスパートナーズが行なう外壁塗装工事等の役務の取引について | 宮崎県
外壁塗装の費用はさまざまな要素が合わさって決まります。
中でも値引きができるものとできないものがあり、人件費などの作業代自体を値引くのは難しいでしょう、タダ働きしろと言っているようなものです。
よく値引きの対象となるのが「足場代」です。
しかし、工事において足場というものはきちんとした決まりがあり、決まりを守っていないような足場を使っていると、違法工事として警察に見つかった時点で中止勧告が出ます。
足場代は20万円近くあるため、工事の費用の決して少なくない部分を兼ねているため、これを安くすることは業者としても利益を大きく損なうことになります。
足場代を無料にしてくるような業者は間違いなく怪しいと言えるでしょう。
そして大幅な値引きを提示する理由として挙げられるのが、「即決させるため」です。
今ならこの価格で、と一見低価格に見せることで今やらないと損だという印象を与え、考える暇なく即決させることが目的なのです。
モニター価格
モニター価格を持ち出してアピールしてくるセールストークを、モニター商法と言います。
モニター商法では、特定の何かをモニター価格として安く提示することでお得に依頼できると持ちかけます。
しかし、例えば足場代の値引きは業者側が大幅に損をするだけであり、本来はあり得ません。
ではなぜ足場代を無料にするのか?それは簡単な話で、足場代以外を高くすればいい、というだけのことです。
つまり、「足場代無料でお得」と言いながら、無料にした足場代+αを他の部分の料金を底上げし、結果的に相場よりも高くして請求するといった手法です。
当然一切お得でもなんでもなければ、業者としての質も決して高くは無いでしょう。
モニター商法についてはこちらの記事もあわせてご覧ください。
無料点検を推してくる
無料の点検をアピールしてくる場合も多く、一見すると無料で家の状態を見てもらえると思いがちですが、実は外壁の状態を見てもらうだけであれば見積もりを行う前にやってくれる業者は普通に存在しています。
理由として、正しく事前見積を行うためには話をするだけではわからないため、実際に現場に赴いて状態を確認することで、より詳細な見積書を用意できるのです。
ではなぜ無料点検を推すのかの理由の1つに「知識不足」が挙げられます。
これは訪問される側もそうですが、実は営業している側も知識が不十分である場合があります。
というのも、外壁塗装に関する基礎知識は、業者であれば正しく理解しているというのは当たり前のことです。
しかし、作業員ではなく営業をするために雇われた人間であれば、元塗装業者でもない限り知識は限られているか、偏ったものになります。
ただ無知なだけであればまだマシで、質の悪い業者になると自ら傷をつけたり、別の家のひどい状態の壁・屋根の写真をあたかもこの家の写真であるかのように見せるなど、マッチポンプ的な詐欺行為を働きます。
外壁塗装アドバイザー
金井のコメント
消費者庁推奨!飛び込み営業から我が家と財産を守るアドバイス
実際に飛び込み営業が来た際には、正しい撃退方法を理解していないと上手く丸め込まれてしまう可能性があります。
いくら営業に来ても絶対契約しないと意気込んでいても、相手はセールストークを身につけており、相手をその気にさせて契約させることが仕事です。
話を聞いている内についお得かも……とその気になってしまう可能性がないとは言えないため、正しい対処方法を身につけましょう。
クーリングオフを使う
もしも悪徳業者と契約を結んでしまった場合、泣く泣くお金を支払うしかないのかと言えば、そんなことはありません。
悪徳業者に引っかかった際に使える対処法として、「クーリングオフ」が存在します。
クーリングオフを利用できる条件は「法人と個人の契約」であること、そして「契約してから8日以内」であることです。
逆にできない条件として「自ら呼び出して契約した場合」というものがありますが、飛び込み営業は向こう側から訪れているため、問題なくクーリングオフを利用できるでしょう。
ただしあくまで8日以内、もし何かしら理由をつけてクーリングオフまでに8日以上かかると言ってきた場合には、クーリングオフは8日以内にしかできないですよね?と言い返しましょう。
外壁塗装のクーリングオフについてはこちらの記事もあわせてご覧ください。
値引き・キャンペーンの情報をうのみにしない
実際には、特別な値引きでないにも関わらず、「値引きしている感」を出して契約を迫る行為が確認されています。
「これ以上の値引きができないです」という訪問販売の謳い文句は、ただの営業トークの可能性があるので十分注意しましょう。
相見積もりをする
安易に契約の申込みや契約の締結をせず、過去に依頼をしたことのある業者や地域内のほかの業者から相見積りを取得して、十分に検討する機会を確保しましょう。
外壁塗装は費用は、外壁の状態・面積・塗料のグレードなど一軒一軒オーダーメイドで見積りが作成されています。
そのため、1業者だけの見積りでは、そのお家の相場より高いのかの安めに設定させているのか把握しにくいのが現状です。
そのため、2~3社で相見積もりをとるころで実際にどれくらいの費用感になるのかわかりやすくなります。
10~20万円変わるのは全く珍しくないので、費用や業者がちゃんと対応してくれそうかという観点でも相見積もりをとることは重要と言えます。
即日で契約しない
今日限定・今ならサービスというような、即日契約を促すようなセールストークは確実に罠であると考えておきましょう。
特に相見積もりを許さないような、即決を求める態度はまず間違いなく悪徳業者です。
というのも、悪徳業者は普通の塗装業者と比較されることを嫌います。
理由は単純で、見積書を比較されることで自分たちのやっていることが露呈するからです。
外壁塗装アドバイザー
金井のコメント
良くも悪くも、訪問販売の営業マンはトークが上手いです。
塗装は決して簡単に出せる金額のお買い物ではないですし、失敗した⇒またやり直せばいいというわけにはいきません。
「他とも比較してください」と言ってくれる業者こそが良心的だと言えます。
「この価格は今だけです!」と囲い込みをしてきた時は、「あ、契約を焦ってるな」と思って落ち着いて対処しましょう。
繰り返しますが、大切なのは即日契約しないこと、その会社だけで決めないことです。
地方公共団体が設置する相談窓口
誤って契約してしまい、クーリングオフしようにも8日経過してしまった場合は、お住まいの地域にある地方公共団体が設置している相談窓口を利用しましょう。
具体的な対処法を教えてくれたり、さまざまなサポートを受けられます。
ただし、当然ながらそれはあくまで業者側に問題がある場合で、見積書にも問題がない普通の業者との契約に対しては相談しても解約は難しいと言えるでしょう。
消費者ホットラインのかけ方
消費者ホットラインは、電話にて「188」の3桁の数字でかけます。
すると音声アナウンスによって住んでいる場所の郵便番号を聞かれるため、郵便番号を入力しましょう。
その後も音声アナウンスに従って操作していけば、お住まいの地域の相談窓口につながります。
詳しくは、専用ページをご覧ください。
外壁塗装のパートナーズでは地域内の業者で相見積もりができます
以上、外壁塗装の飛び込み営業について解説しました。
営業には出ない・無視するというのが鉄則です。
セールスマンにとっては何よりも「相手にされない」ということが一番効きます。
単純に話を聞かない相手に営業をかけるよりも、話を少しでも聞く相手に営業をかけるほうが可能性があるためでしょう。
もし飛び込み営業を見極めたいのであれば、相見積もりをしてもいいかと聞きましょう。
外壁塗装のパートナーズでは、地域内の業者とも相見積もりが可能です。
相場価格に適しているかどうかを見極め、正しく優良な業者を利用しましょう。
塗装は普段生活するうえで、滅多に考えることはないと思います。
なので、相場が分からない・どういう塗料がいいのかが分からないというのはある種普通だと言えます。
訪問販売をおこなっている会社が全て悪とまでは言わないですが、営業マンも皆さんがあまり知識がないことを知っているので、上記のようにいたずらに不安を煽ってくることが多発しています。
決して急がず、しっかり比較してから決断しましょう。