屋根塗装の面積は測り方で塗装費用も変わる?塗装面積の出し方

屋根塗装の面積は測り方で塗装費用も変わる?塗装面積の出し方

屋根塗装を考えている方なら、すでにお手元には塗装業者が作成した見積書があることでしょう。

A社の見積書を見ると、屋根塗装の項目に「70㎡」といった面積の記載があるのに、B社の見積書では「84㎡」と記載があったとします。

こうなると「なんで同じ屋根を見積もったのに、面積が違うの?」と疑問を感じるのは当然ですね。

きっとどちらかの塗装業者が正解なのでしょうが、しかしA社・B社ともに屋根に上がった様子はありません。

なぜ塗装業者は屋根の面積がわかるのでしょうか?

どうやって屋根に上がらずに屋根の面積を計算しているのでしょう?

ここでは「屋根の面積の計算方法」について考えながら、塗装業者が使うプロの技術から、あなたにもできるカンタンな方法まで一挙に紹介いたします。

見積書ごとに塗装面積が違っている!どの塗装業者に依頼するのが正解?

屋根塗装をプロの業者に依頼する場合、1社だけでなく複数の業者に依頼するのが基本です。

複数の業者から見積書を取り寄せてじっくりと比較しないと、相場どおりの費用になっているのか?工程に漏れはないのか?などが判断できません。

もし、複数の塗装業者から見積書を取り寄せたときに、それぞれの面積が違っていれば、きっとあなたは困惑するでしょう。

では、次の3社のうち、どの業者に依頼するのが正解となるのか?

あなたにはわかりますか?

【想定】

屋根面積が70㎡、塗装係数が1.2で塗装面積は84㎡、いずれも同じ塗料を使用しており単価も同じ

  • A社は屋根面積を基準に「70㎡」と記載
  • B社は塗装面積を算出して「84㎡」と記載
  • C社は大ざっぱに「90㎡」と記載

屋根面積や塗装面積、塗装係数といった用語はこれから詳しく解説していきます。

まずは「70㎡」「84㎡」「90㎡」という数字だけをみて、直感的に考えてみましょう。

①一番安いのは「塗装面積が狭い業者」だが…

見積書を見比べると、塗装費用が一番安くなるのは「塗装面積が狭い業者」です。

屋根の塗装費用は「塗装面積 × 塗装の単価」で計算するのですから、面積が狭いほうが安くなるのは当然ですね。

でも、ちょっと待ってください!

もし、A社が70㎡分の塗料しか注文していなかったとすれば、どうなるのでしょうか?

見積書を出している以上、A社は「塗料が足りなかったので追加料金をください」というわけにはいきません。

するとA社は、どうにかして70㎡分の塗料で84㎡を塗装しようと考えます。

水やシンナーで希釈してかさ増ししたり、二度塗りが必要なところを一度塗りにしたりといった手抜き工事を招くおそれがあります。

②「大ざっぱな計算をしている業者」は論外!

3社の見積書を比較すると、もっとも面積が広いのはC社だとわかります。

もちろん、面積が広いぶんだけ塗装費用も高くなります。

C社は建築図面を見るわけでも、現場で実際に計測するわけでもなく、担当者が目見当で「このくらいだと90㎡だな」と大ざっぱに見積もっているだけです。

こんな塗装業者は論外!

余分に工事費用を支払うハメになるので、お断りの方向で話を進めていきましょう。

C社のような塗装業者を見抜くには、いくつかのポイントがあります。

  • 見積もりの際に建築図面などの提示を求めない
  • 現場でメジャーや勾配測定器などを使っている気配がない
  • 見積書に記載されている面積が5・10㎡単位でキリが良い
  • 訪問営業の初回で何の資料も渡していないのに面積を提示してくる

を算出し、屋根の材質によって塗装係数まで計算に含んでいるからです。

この計算ができているB社は、まさに『適正価格』。

しっかりと塗装面積を計算しているので「塗料が足りない!」といった事態にはならず、また、ムダに高額な塗装費用を支払うことにもなりません。

屋根塗装をお任せするなら、B社のようにしっかりと詳しい塗装面積に基づいて見積もりをしてくれる塗装業者がおすすめです!

屋根の面積は計算できる!

住宅の建築業やリフォーム業で「面積を測る」といえば、作業員がメジャーを持って実寸するのが当然のように思えます。

ところが、住宅を建てる際にあらかじめ作成される建築図面は、建築士・設計士の手によって非常に精密に作られています。

つまり、建築図面さえあれば、屋根に上がって計測しなくても、屋根の面積は計算可能なのです。

もちろん、実際の住宅は精密な図面に基づいて建築されているので、必要なポイントの計測だけをおこなえば、図面があるのと同じように計算できます。

屋根塗装の依頼を塗装業者に相談すると、まず「建築図面をみせてもらえますか?」と尋ねられるのは「図面さえあれば正確に屋根面積が計算できるから」なのです。

図面を使って計算する方法

建築図面を使って屋根面積を計算する場合は、次の計算式を使えば答えを導き出せます。

屋根投影平面積 × 勾配伸び率

屋根投影平面積とは「上から見たときの屋根の平面積」のことです。
屋根投影平面積とは

たとえば、このような形の住宅でも、真上からみるとこうなりますよね。

住宅には、壁面よりも外に張り出した『軒(のき)』があります。

すると、真上からみたときの平面積は、住宅の床面積ではなく「軒を外側線とした平面積」になるわけです。

屋根投影平面積とは

勾配伸び率とは「底辺に対して斜辺の長さを求める場合の倍率」を指します。

数学が得意だった方はこの説明でも十分に理解できるかもしれませんが、多くの方にとってはわかりにくいはず。

そこで、もっとカンタンに説明すると「屋根の角度に対する数値」という意味です。

屋根には『勾配』という傾斜がついています。

勾配があることによって、雨水や汚れを下方向に流したり、瓦を段違いに葺いたりできるのです。

屋根投影平面積が同じでも、勾配が急になると屋根の長さは大きくなります。

少し極端ですが、図を用いて説明しましょう。

勾配伸び率の説明

Aの住宅とBの住宅は、床面積も屋根投影平面積も同じです。

ところが、AよりもBの屋根のほうが急勾配になることで屋根の頂点が高くなり、頂点から軒先までの距離が伸びていることがわかるでしょう。

勾配の程度によって屋根の長さが異なるため、勾配に対する伸び率を数値化したのが『勾配伸び率』です。

図の例の場合、AよりもBのほうが「勾配伸び率が高い」ことになります。

建築図面には屋根の部分に「5/10」や「6.5/10」といった分数勾配が記載されています。

これを次の表に当てはめてみましょう。

勾配 勾配伸び率
尺貫法勾配 分数勾配 水平長さに対して
5分 0.5 / 10 1.001
1寸 1.0 / 10 1.005
1寸5分 1.5 / 10 1.011
2寸 2.0 / 10 1.02
2寸5分 2.5 / 10 1.031
3寸 3.0 / 10 1.044
3寸5分 3.5 / 10 1.05
4寸 4.0 / 10 1.077
4寸5分 4.5/ 10 1.097
5寸 5.0 / 10 1.118
5寸5分 5.5 / 10 1.141
6寸 6.0 / 10 1.166
6寸5分 6.5 / 10 1.193
7寸 7.0 / 10 1.221
7寸5分 7.5 / 10 1.25
8寸 8.0/ 10 1.281
8寸5分 8.5 / 10 1.312
9寸 9.0/ 10 1.345
9寸5分 9.5 / 10 1.379
矩勾配 10.0 / 10 1.414
9寸返し 11.0 / 10 1.487
8寸返し 12.0/ 10 1.562

屋根勾配伸び率表 | アジアポケット

たとえば、屋根投影平面積が80㎡の場合で、建築図面に「5/10」という記載があれば、80㎡ × (5/10の勾配伸び率=1.118)で89.44㎡になります。

実際に計測して計算する方法

基本的には図面で計算する方法と同じですが、図面からではなく実際にメジャーを使って屋根投影平面積を計測し、勾配伸び率を乗じて計算する方法です。

デジタルの勾配計測器などを使えばカンタンに勾配がわかるので、あとは先ほどと同じく「屋根投影平面積 × 勾配伸び率」で算出するだけです。

1階部分の床面積から概算する方法

ここまでの2つの方法は、限りなく正確に屋根面積を算出する方法です。

ただし、これらの方法は、考え方も計算もカンタンではなく「自宅の屋根面積をざっくりと知りたい」というあなたにおすすめできる方法ではありません。

そこで、1階部分の床面積さえわかれば屋根面積がわかるカンタンな計算式を紹介しましょう。

【屋根の勾配が緩やか~並の場合】
1階の床面積 × 1.1

【屋根の勾配が急な場合】
1階の床面積 × 1.2

勾配が緩やかなのか、普通並なのか、それとも急なのかは、素人目には判断がつかないかもしれません。

ここはあくまでも概算なので、周囲の住宅の屋根と比較して「よその家よりも勾配が緩い」とか「どの家よりも勾配が急だな」といった判断で良いでしょう。

屋根面積をもっとカンタンに知りたい!

屋根面積の計算方法には、プロの塗装業者が使う正確な方法のほか、ごくカンタンに算出できるお手軽な方法もあります。

それでも、やはり建築図面などからできるだけ正確な床面積を調べる必要があるので、それだけでも少しおっくうに感じてしまう方もいるでしょう。

そこで、住宅の坪数だけで手軽に屋根面積を算出できる早見表を作成しました。

カンタンに屋根面積を知りたい方は、こちらを参考にしてください。

坪数 屋根面積
20坪 40~44㎡
25坪 45~54㎡
30坪 55~64㎡
35坪 64~74㎡
40坪 75~84㎡
45坪 85~94㎡
50坪 95~105㎡

この早見表に示している屋根面積はあくまでも参考の数値です。

ご自宅の屋根勾配が急であれば、ここで示している面積よりも大きくなるため、+5坪の階層に当てはめてみると良いでしょう。

屋根面積=塗装面積ではない!『塗装係数』とは?

屋根塗装は、屋根の面積の分だけ塗装を施すことになる…

そう考えるのは当然かもしれませんが、実はそうではありません。

屋根面積=塗装面積ではないのです。

ここで重要となるのが『塗装係数』です。

『塗装係数』とはなにか?

屋根にはいろいろな形状があります。

ただ平坦なだけの屋根などはほとんど存在せず、瓦・コロニアル・スレートなどさまざまな形がありますよね。

いくら建築図面などを使って屋根面積を計算しても、屋根は図面のように平らではないので、実際の塗装面積には差が生じます。

わかりやすいように図で説明しましょう。

AとBは屋根の断面だとします。

塗装係数の説明

左右両端からの距離は同じなので、これを真上からみたときの屋根投影平面積は同じになりますよね。

ところが、Bは波形状をしているので、これを平坦に伸ばした場合にはAよりも辺が長くなり、屋根投影平面積も広くなります。

この「形状によって面積が広くなる」という差分をあらわすのが『塗装係数』です。

塗装係数が高ければ、屋根投影平面積よりも実際の面積のほうが広くなります。

つまり、屋根塗装の際に実際に塗装する面積は「屋根投影平面積 × 塗装係数」となるわけです。

屋根の材質別・塗装係数の一覧表

少しイメージしていただければわかりますが、屋根は実にさまざまな形状をしています。

一般住宅では「完全に平滑・平面の屋根」が使われることはありません。

完全に平滑な屋根の係数を1.00として、形状が複雑になるにつれて係数が増します。

ここでは、代表的な屋根形状について、それぞれの塗装係数を一覧化しました。

屋根の形状 塗装係数
瓦屋根 和瓦 1.08
波型洋瓦 1.16
瓦屋根 コロニアル 1.2
カラーベスト
コンクリートスレート 大波(波型1号) 1.15
小波(波型2号) 1.2
金属屋根 折板 1.4~1.7
※折板の形状による
瓦棒葺きトタン 1.2~1.25
波型トタン 1.4

この塗装係数の一覧表は、あくまでも平均的な製品を例にしています。

メーカーの違いによっては、この表の塗装係数から多少の上下がありますが、おおむねこの程度だという目安にすれば良いでしょう。

屋根面積と塗装面積、これだけ塗装費用に差が出る!

屋根塗装では、計算した屋根の面積ではなく、塗装係数を乗じた塗装面積で費用が決まります。

とはいえ、たった1.1~1.7という係数を乗じたくらいでそこまで大きな差が生じるようには感じられないのではないでしょうか?

では、実際に屋根面積と塗装面積で塗装費用を計算して比較しましょう。

【想定】
屋根投影平面積 80㎡
勾配伸び率 1.077(4.0/10)
コロニアル瓦 塗装係数1.2
下塗りシーラ 1㎡あたり700円
シリコン樹脂塗料 1㎡あたり3,000円

この条件だと、屋根面積は80㎡ × 1.077=86.16㎡になります。

このままで計算した場合の塗装費用は、86.16㎡ × (700円+3,000円)=31万8,792円です。

では次に、塗装係数を乗じて塗装面積を求めてみましょう。

屋根面積86.16㎡にコロニアル瓦の塗装係数1.2を乗じると103.39㎡になります。

塗装面積は103.39㎡ですから、この場合の塗装費用は103.39㎡ × (700円+3,000円)=38万2,543円です。

単純に屋根面積だけで計算すると31万8,792円、塗装面積で計算すると38万2,543円ですから、その差は6万3,751円です。

わずか1.2を乗じただけでも6万円を超える差が生じるのですから、塗装係数の存在は無視できるものではないでしょう。

屋根塗装は『面積』と『塗装係数』に敏感な塗装業者に依頼しよう!

屋根塗装の費用計算においては『面積』と『塗装係数』がとても重要です。

大ざっぱな目見当をする業者や、知識が足りず屋根面積だけで見積もりをしてしまう業者にお任せしてしまうと、水増し請求や施工不良の危険があります。

屋根塗装を依頼する際には、面積と塗装係数に敏感な塗装業者に依頼するのがベストだといえます。

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