屋根塗装の相場価格はいくら?屋根塗装の工事費用の内訳、見方を全て教えます!
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日ごろ、まじまじと見ることのない屋根ですが、実は新築から10年、20年と経過した住宅の屋根は激しく劣化しています。
屋根の劣化は、見た目以上に住宅の安全性・快適性に大きな影響を与えるので、放置してはいけません。
屋根のメンテナンス方法として代表的なものが『屋根塗装』です。
屋根の塗装を塗り替えることで、老朽化した屋根が輝きを取り戻すだけでなく、屋根が担う役割を果たす力を取り戻します。
では、屋根塗装にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか?
ここでは、屋根塗装の費用について「相場はいくらなの?」という疑問にお答えしていきましょう。
屋根塗装の相場は?
まずは、あなたのマイホームの屋根がどれくらいの広さで、どんな材料を使って作られているのかなどはすべて無視してください。
屋根の塗装にかかる費用の相場は、標準的な工事で40~60万円です。
この相場価格を大きな基準として考えながら話を進めていきましょう。
「相場より高い!」というだけで悪質業者だと決めつけない
もしあなたのお手元に、すでに塗装業者からもらった見積書があって、ここで紹介している相場よりも高い費用になっていたとしても、それだけで「悪質業者だ!」と決めつけてはいけません。
屋根塗装の費用は、屋根の広さや使用する塗料のグレードなどによって上下します。
あくまでもここで紹介しているのは「標準的な工事」の相場です。
あなたのマイホームは、屋根が広いつくりになっていませんか?
見積書をよく見ると、標準工事よりもグレードが高い塗料が使われていませんか?
もし、大した理由もなく相場よりもずっと高い費用が提示されているのであれば、その塗装業者は『中間マージン』が発生しているか、または単に『ぼったくり業者』である可能性が大です。
しっかりとした理由があって、その理由に納得して高い工事費用を支払うのであれば、それは「上質な屋根塗装」だといえるでしょう。
相場はあくまでも相場ですから、それ以上になる合理的な理由があればまったく問題はありません。
「相場より安い!」というだけで喜んではいけない!
日本人は海外諸国の人たちよりもお値引きやセールに弱いといわれています。
もし、あなたのお手元にある見積書の工事費用が相場よりも安くなっていても「安くなった」とか「得をした」と喜んでいると、かえって損をすることがあります。
まして、セールスマンから「特別価格です」とか「キャンペーンで安くなっています」なんていわれても絶対に信用してはいけません。
屋根塗装の工事費用が相場より安くても、屋根の面積が狭かったり、使用する塗料のグレードが低かったりすれば、安くなっていて当然です。
もしかすると、相場より安くても、プロの塗装業者からみれば「この工事内容でその価格では高い!」というものかもしれません。
特に、塗料のグレードが低い場合は、屋根塗装が持つ重大な効果も弱くなります。
よく「安物買いの銭失い」なんていいますが、目に見える「お値段」だけで屋根塗装を語ることはできないのです。
屋根塗装にかかる費用の内訳を知ろう
屋根塗装の相場は40~60万円ですが、では、何にいくらの費用がかかっているのでしょうか?
屋根塗装の費用とクオリティを分析するには、内訳がどうなっているのかを知っておくべきでしょう。
ここでは、屋根塗装の工事費用の内訳を見ていきましょう。
相場どおりの屋根塗装の内訳
屋根塗装の工事費用は、大きく4つの費用に分けられます。
- 塗装に使う『塗料の価格』
- 塗料を使って塗装する『施工費』
- 屋根にのぼって作業するための『足場代』
- 工事全体に上乗せする『利益』
これらの費用は、バランスにある程度の目安があります。
塗料の価格 | 20% |
---|---|
施工費 | 20% |
足場代 | 30% |
塗装業者の利益 | 30% |
このバランスが異様に崩れていれば、その部分で水増しや手抜きの疑いがあります。
たとえば、相場どおりの費用でも、塗料の価格と施工費を足して20%しかない場合では、塗装業者の利益が水増しされているおそれがあります。
いくら相場どおりでも、塗料の価格を10%に抑えてしまえば、塗装業者は儲けが大きくなるという寸法です。
「屋根塗装、まるごと◯◯万円」のようなパック料金の塗装業者では、最初から100%の価格が決まっています。
塗装業者が利益を増やすためには、屋根塗装にかかるコストを抑えるしかありません。
塗料のグレードを下げるか、人件費を抑えて手抜き工事をするか、外注の足場業者に割引きをしてもらうか、いずれにしても塗装工事のクオリティを下げてしまうのは間違いないでしょう。
屋根塗装の見積書を手にしたら、4つの費用に分けてバランスを分析すると良いでしょう。
屋根塗装の内訳から「塗装業者の利益」の水増しを見抜く方法
ここで紹介した「屋根塗装の内訳のバランス」ですが、実は、見積書をみるだけではわかりません。
なぜなら、「塗装業者の利益」は目に見えないように隠されているからです。
実際の見積書には、このように記載されます。
工事の項目 | 1㎡あたりの単価 | 施工面積 | 価格 | 内訳の分類(%) |
---|---|---|---|---|
足場代 | 700円 | 200㎡ | 14万円 | 足場代(30%) |
高圧洗浄 | 200円 | 70㎡ | 1万4000円 | 施工費(20%) |
下塗り | 700円 | 70㎡ | 4万9000円 | 塗料の価格(20%) 施工費(20%) |
中塗り・上塗り (シリコン塗料) |
3000円 | 70㎡ | 21万円 | |
合計 | 41万3000円 |
※住宅の外周が約20mで計算、足場高7m、建坪は約35坪=屋根面積70㎡
ご覧のとおり「塗装業者の利益」という項目は含まれていませんね。
しかも「塗料の価格」や「施工費(人件費)」といった記載もありません。
では、内訳を分析していきましょう。
まず、工事の合計金額は41万3,000円ですから、足場代14万円は約30%で適正範囲です。
残りの約70%ですが、見積書には「塗料の価格」や「人件費」とは記載されないので、足場代を除いた工事項目の全体を合計します。
塗料の価格と人件費はそれぞれ20%ずつ、ここに塗装業者の利益30%を乗せるので、合計は70%です。
足場代を差し引いた工事費用は27万3,000円ですから約60%となり、こちらも適正範囲内です。
すると、この見積書では、体裁上は適正な内訳になっているといえます。
水増しされた見積書の例
では、全く同じ条件でこちらの見積書も見ていただきましょう。
工事の項目 | 1㎡あたりの単価 | 施工面積 | 価格 | 内訳の分類(%) |
---|---|---|---|---|
足場代 | 700円 | 200㎡ | 14万円 | 足場代(25%) |
高圧洗浄 | 200円 | 70㎡ | 1万4000円 | 施工費(25%) |
下塗り | 700円 | 70㎡ | 4万9000円 | 塗料の価格(20%) 施工費(25%) |
中塗り・上塗り (シリコン塗料) |
5000円 | 70㎡ | 21万円 | |
合計 | 55万3000円 |
わかりやすく水増しされている部分を太文字にしてみました。
この場合、内訳は足場代が約25%、塗料の価格・施工費・業者の利益の合計が約75%となります。
大きなバランスが崩れていることがわかるでしょう。
シリコン樹脂系塗料の1㎡あたりの単価(塗装費込み)は2,500~3,000円が相場ですから、中塗り・上塗りの工程だけが大幅に高くなっています。
塗料の原価は相場の範囲で一定なのですから、ここに大幅な塗装業者の利益が上乗せされていることが見抜けますね。
このように、内訳のバランスを分析ことで「どこが水増しされているのか?」までもが見抜けるようになるのです。
屋根塗装の費用を決める5つのポイント
屋根塗装の費用を決めるポイントは5つです。
それぞれのポイントについて詳しく解説していきましょう。
ポイント①
屋根の広さ
屋根塗装の費用を決めるもっとも大きなポイントが「屋根の広さ」です。
当然のことですが、屋根が広ければ塗装面積も塗料を使う量も増えます。
さらに、塗装にかかる時間・日数も増えるため、職人の人件費も高くなります。
屋根が狭ければその逆で、塗装面積が狭いため塗料の量は少なくなり、工事も早く終るので人件費も安くなるわけです。
ポイント②
塗料のグレード
屋根塗装で使用する塗料には、いくつかのグレードがあります。
グレード | 耐用年数 | 1㎡あたりの単価 (塗装費用込み) |
特徴 |
---|---|---|---|
アクリル樹脂塗料 | 5~7年 | 1000~1200円 | ・最も安価で、紫外線に弱く耐久性は低い ・倉庫など塗り替えが多い場所には最適 |
ウレタン樹脂塗料 | 8~10年 | 1800~2000円 | ・安価でほどほどの耐久性がある ・とにかく安く済ませたい場合の妥協点 |
シリコン樹脂塗料 | 10~15年 | 2500~3000円 | ・コストと性能のバランスが良い ・いまもっとも使用されている塗料 |
ラジカル塗料 | 12~15年 | 3000~3500円 | ・シリコンよりも高性能な新世代塗料 ・フッ素よりも安価で手を出しやすい |
フッ素塗料 | 15~20年 | 3500~4000円 | ・価格は高いが耐久性は高い ・塗り替え回数が減るのでトータルコストには優れている |
遮熱・断熱塗料 | 15~20年 | 3500~4000円 | ・特殊セラミックを多量に配合した遮熱と断熱の効果を併せ持つ塗料 ・耐久性は高いが価格も高い ・施工実績が少なく効果は不明 |
無機塗料 | 15年~ | 4500~5500円 | セラミックやケイ素などの無機物を配合した高耐久塗料 ・非常に高価で工事価格が跳ね上がることもある |
ご覧のとおり、グレードが高い塗料になると耐用年数が長くなりますが、これに比例して1㎡あたりの単価も高くなります。
グレードが高い塗料を使えば、屋根の美しさが保たれ、屋根の防水性が高まるうえに、遮熱・断熱などの付加機能も期待できるでしょう。
さらに、グレードが高い塗料を使うことで、次回の塗装までのスパンが長くなるというメリットもあります。
1回の工事費用が高くなることは避けられませんが、次回の塗装までのスパンが長くなることで30年、40年、50年と築年数が増すごとに屋根メンテナンスのトータルコストは安くなるわけです。
ポイント③
屋根の勾配
屋根には『勾配』があります。
勾配とはつまり角度のことで、一般的な屋根には3~5寸(16.7~26.6度)の角度がついています。
これが6寸(31度)を超えると、角度が増す分だけ頂点の位置が高くなり、屋根の面積が広くなります。
さらに勾配が急になると、塗装職人が屋根の上を歩いて作業できない角度になり、屋根に対して横に『屋根足場』を渡す必要が生じます。
屋根足場を渡すこともできないくらいの急勾配では、滑車とロープを使ってぶら下がりながら塗装したり、高所作業車をレンタルしたりといった対策も必要です。
一般的には、屋根勾配が急になると工事費用が高くなる、と考えておけばよいでしょう。
見た目にはおしゃれですが、片屋根の急勾配の住宅などにお住まいの方は、屋根塗装の費用が高くなると覚悟しておくべきです。
ポイント④
足場の高さ
足場代は屋根塗装の工事費用の30%を占める出費になります。
ほとんどの塗装業者は足場の敷設を外注の業者に依頼するため、この部分は節約のしようがないコストです。
そして、足場代は「高さ」が高くなると費用が跳ね上がります。
なぜ「高さ」が足場代に影響するのかを知るために、足場業者が使う計算式を見てみましょう。
足場代は、足場をかける面積 × 単価で決まります。
足場をかける面積は、簡易計算式で「(住宅の外周+8m) × 高さ」で割り出します。
一般的な2階建て住宅の屋根塗装で使用する足場の高さが7m程度なので、外周が30mの住宅では(30m+8m) × 7m=266mとなります。
足場業者の単価の相場は700~1,000円だといわれているので、仮に700円で計算した場合の足場代は18万6,200円です。
では、ここで足場の高さを2mほど高くしてみましょう。
すると(30m+8m) × 10m=380mとなり、単価700円をかけると26万6,000円になります。
たった2mほど足場を高くするだけでも約8万円の差が生じるのですから、2階部分の屋根が高い住宅や、3階建て以上の住宅では、足場代だけでもかなりの高額になります。
ポイント⑤
塗装業者の利益
屋根塗装の費用を決める重大なポイントとなるのが「塗装業者の利益」です。
ここまでのポイント①~④の部分が高額になったとしても、実は塗装業者には大した利益がありません。
なぜなら、その分だけコストがかかっているからです。
塗装業者が会社としてどれだけの利益を確保するのかが、屋根塗装の費用に大きく影響します。
ここで注目したいのが「誰が実際に屋根塗装の工事をするのか?」です。
屋根塗装の工事では、大きく分けて2つの流れがあります。
- 自社が工事を受注して、自社の職人が塗装工事をする『自社施工』
- 販売会社が親請けとして工事を受注するが、実際の塗装工事は下請けにさせる『下請け施工』
自社施工の場合、塗装業者の利益は1社分だけで済みます。
ところが、販売会社が親請けとなった場合、実際に工事をするのは下請け・孫請け業者になるので、利益を2~3社で分配することになります。
当然、分配してしまえばそれぞれの利益が小さくなるので、分配してもそれぞれがある程度の利益を確保できるように、業者の利益分を大きく確保します。
その結果、まったく同じ内容の屋根塗装をしても、下請け工事では塗装業者の利益分が高くなるのです。
工事費用が高くなるか、もし工事費用が同じであれば塗料のグレードや人件費などの部分を削減し、工事のクオリティを下げるほかありません。
屋根塗装は外壁塗装と同じタイミングがベスト!
屋根塗装で使用する塗料の耐用年数を見ると、塗り替えのタイミングはおおむね10年に一度となります。
この「10年に一度」というメンテナンス周期は、屋根だけでなく外壁も同じ。
だからこそ、屋根と外壁は同じ機会に塗り替えるのがベストです。
屋根と外壁を同時に塗り替えて足場代を節約
屋根塗装の工事費用の中でも大きな出費となるのが『足場代』です。
足場代は外注費となるため、塗装業者としても値引きには対応できません。
ところが、屋根と外壁の塗装を同じタイミングで塗り替えることで、足場代は1回だけの支払いで済みます。
もし屋根と外壁の塗装を別々のタイミングで塗り替えるとすれば、トータルで15~20万円ほどの差があります。
一度でもタイミングを別々にしてしまうと、ずっとタイミングがずれ続けます。
いざ同じタイミングに揃えようと考えたときには、どちらかのタイミングが早くてもったいないか、またはどちらかのタイミングを遅らせてしまい劣化が進んでしまいます。
できれば新築後10年を目安に、屋根と外壁の両方を一気に塗り替えてしまうことをおすすめします。

屋根塗装は相場内の適正価格で!
屋根塗装の相場を知れば、塗装業者から見積書を渡されたときに「この内容では高すぎる」とか「このグレードの塗料を使っているなら納得できる」といった適正価格を読み取ることができます。
そして、屋根塗装で満足できる工事内容を適正価格で施工してもらうなら、塗装業者の利益に中間マージンがかからない自社施工の業者にこだわるのがベストです。
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