サイディングの外壁塗装に良い時期っていつ?

築10年が目安と言われているが本当?
外壁塗装はいつ実施するのがベストな時期なのでしょうか?
外壁塗装の目的は、美観の保全と建物の耐久性の維持(資産の保持)です。
このあたりの話は別にまとめてありますので、よろしければご覧ください。

現在、外壁の作り方は、大きく分けると3つあります。
モルタル、サイディング、ALCです。
そして、それぞれによって外壁塗装の時期の目安は変わってきますので、今回はサイディングの耐久性の維持(資産保持)に絞って考えてみたいと思います。
サイディングは木ではなくセメント
そもそも改めてサイディングとは何でしょうか?
自分の家の外壁がサイディングとは聞いていたが、その詳細までは知らない方が大半です。
サイディングは、当然ながら元は英語でsidingと記します。
そもそもの日本語訳で言えば羽目板で、羽目板とは天井や壁に使用する、板の両端に凸凹をつくり、はめ込んで繋ぎ合わせて使用できる板のことです。
そこから今は、一般的には外壁に使用する仕上げ材の事を指すようになりました。
この事から、また一戸建ては基本的に木造建築ですのでサイディングも木の板だと勘違いしている人がいらっしゃいますが、サイディングは木ではありません。
モルタルと同様に主成分はセメントで、セメントと繊維質を混ぜ合わせて板状に固めたものです。
ですのでサイディングと言われている外壁は、サイディングボードを貼り合わせて作った外壁という事になります。
(厳密には窯業系サイディングといい、金属サイディング、木質サイディングと分けて考えますが、窯業系サイディングが日本ではほとんどですので、サイディングといえば窯業系サイディングを指します)
外壁がサイディングの場合、塗装サインが発見しにくい
元々は日本の住宅はモルタル外壁主流でしたが、洋風の外観が好まれるようになるにつれ、サイディングが開発されました。
今では様々な模様のサイディングがあるため、新築戸建ての8割以上の外壁がサイディングと言われています。
サイディングはモルタルに比べて、亀裂が入りにくかったり、汚れがつきにくかったりするので塗装に対して、悠長に構えてしまう方が多いのが一番の問題です。
モルタルに比べて、塗装をするべきシグナルが見えにくく、適切な塗装時期を逃してしまい大事になってしまう方がいらっしゃいます。
サイディングこそ、塗装計画をしっかりと考えなければならないのです。
モルタルについてはこちらをご覧ください。

サイディングは塗装が命
サイディングは、セメントと繊維質の混ぜ合わせたものです。
軽いモルタルだと思っていただくと、イメージしやすいかもしれません。
つまりサイディング自体には防水性はないのです。
表面に施された塗装によって防水性能を保っておりますので、その塗装の効果が無くなってきてしまうとサイディング自体に雨水が吸収され、サイディングボードの反り、亀裂、爆裂などが起こり、塗装ではすまなくなり外壁の張り替え工事となってしまうのです。
中には杜撰な工事をした戸建てですと、10年未満でも雨水が建物の基盤(木部)を侵食して腐らせ、大幅な修繕工事を行う羽目になったケースもあります。
だからこそサイディングは早め早めの塗装をしていく事が耐久性を高め、資産を保持することに繋がる生命線なのです。
サイディングはコーキングも命
サイディングは塗装がとにかく大事であるという事をお伝えしましたが、同じくらいに大事なことにコーキングがあります。
戸建ての外観をすべて取り巻くサイディングがあれば別ですが、サイディング外壁は一定の大きさのサイディングボードを貼り合わせて外壁をなします。
そのサイディングボードとサイディングボードの間から、雨水等が侵入しないように現場でコーキング処理を行います。
このコーキング材が劣化して亀裂が入ったり、剥がれてきてしまった場合、その隙間から雨水が侵入してサイディングボード自体、さらにはその奥の躯体にまで影響を及ぼしてしまいます。
サイディングの塗装はいつするべきなのか
塗装とコーキングによってその耐久性が保たれているサイディングですが、サイディングの亀裂や反りなど起こるまえに先手先手で対処していく事が、結果的にコストもトータルで最小に抑えれます。
ではどのような時期に塗装を考えたらよいのでしょうか?
目安は2つあります。
1. 壁を触ると塗料がつく?
塗装で防水性を高めてますのでその塗装が劣化していないかの指標として、外壁を触った時にチョークをさわったように塗料の粉がつかないかどうかです。
もし手に塗料がついた場合は、チョーキングという症状ですので、塗料の防水性能が落ちてきてしまっておりますので塗装を考えるに適した時期といえます。
2. コーキングの状態は?
コーキングの状態のチェックです。
ひび割れをしていないか、サイディングボードが剥がれていないか確認して、もし起きてしまっている場合は、処理が必要となります。
まとめ
サイディングはとにかく、モルタルに比べて大きなクラック(亀裂)が入りにくかったり、汚れがつきにくいため、美観の問題から塗装を考え出す方が少ない為、どうしても遅れがちになってしまいます。
また2000年代初頭から台頭してきたものですので、周囲にサイディングでの塗り替えを実施している世帯がまだまだ少ないという事もあり、どうしても悠長に構えてしまう方が多いのが特徴です。
何度も言いますが、サイディングこそ定期的な塗装、防水処理により資産保持がなされる造りになっていますので、これを機にご自宅のチェックをしてみることをお勧め致します。
サイディング以外の外壁材については、こちらの記事をご覧ください。
